発達障害者に対する国の支援や法律があっても良いと思いませんか?
個人的に発達障害は一番酷い「脳の障害」だと感じているからです。
発達障害に生まれた時点で、人生はハードモードです。
少しでも道を間違えたら、そこで終わってしまうからです。
身体障害や知的障害のように、目に見えてわかりやすいハンデではありません。
日常生活や社会において、多大な苦労を強いられる脳の機能異常だからです。
現行では、発達障害専用の支援やサポートはありません。
精神障害の一部の枠組みとして、手帳や支援が存在するだけです。
しかし、それだけでは発達障害の人が人生でつまづく確率は非常に高いです。
発達障害の人には、子供の頃から専門的で過保護と思われるくらいのサポートが必要です。
でないと、将来的に低収入、結婚できない、引きこもりになるなど、絶望的な未来が待ち受けているのです。
発達障害でもギフテッドやIQが高い、親が裕福、運に恵まれている人であれば、人生が上手くいく可能性は高いです。
しかし、大多数の発達障害の人は、健常者の足元にも及ばない将来性しかありません。
発達障害の人が少しでも普通の人と同じような人生が歩めるように、国の支援や制度を作って欲しいと思います。
今回は、発達障害の人に対する支援制度について考えていきたいと思います。
発達障害が国から受けられる支援
日本での発達障害者に対する国の支援は主に、自立支援医療制度、障害者手帳、障害年金だけです。
いずれも発達障害だけを対象にした支援ではありません。
精神障害や知的障害、身体障害など、ひとまとめにしているのです。
これらの国の福祉制度は、まったく発達障害の人に対して支援になっていないと感じます。
発達障害の人が望んでいる支援は、人並みの人生を送れるようになることです。
人並みの人生とは個人的に、収入と精神の安定性です。
障害持ちなので高望みだとは思います。
しかし、同程度までとはいかなくても、健常者の80%くらいの人生を歩ませて欲しいのです。
自立支援や障害者手帳、障害年金では、発達障害に対して何も解決していません。
自立支援医療制度は、ただ単に障害での医療費が1割負担になるだけです。
障害手帳は、障害者雇用、NHK受信料の免除、携帯料金が少し安くなる、その他ちょっとした福祉サービスがある程度です。
障害年金は、受給認定が難しく、取得できたとしても2級であり、月に5万円程度です。
自立支援、障害者手帳、障害年金のいずれもお金関してであり、支援とは程遠い、微々たるものです。
発達障害の人が本当に望んでいるのは、人生の流れの全てにおいての支援です。
発達障害の人は、生まれた時点で困難な人生を送ることが決定しています。
自分で考え行動しても、全てにおいて苦しい経験をしてしまうからです。
そうならない為に、成人するまでの過程において手厚い支援、就労や就労中のサポートまでの徹底的な支援が必要なのです。
今の日本の発達障害者に対する支援は無いに等しく、自分で何とかするしかない状態なのです。
海外での発達障害者に対する国の支援
日本は発達障害に対する理解が海外に比べて遅れており、支援も無い・間違っているのは仕方がないことです。
しかし、海外の発達障害の人に対する支援を見てみると、羨ましいと感じてしまいます。
発達障害の理解が最も高いアメリカでは、発達障害の人が人生のレールに外れない、完璧な制度があると感じます。
発達障害の人の人生が上手くいかない理由は、自分の進むべき道がわからないからです。
発達障害の人は、健常者と同じように選択できる人生の道がありません。
発達障害の特性と、本人の特徴(長所・好きな事)を生かした将来を見つけなければならないのです。
アメリカでは、発達障害の人が人生で上手くいくように徹底的な法律や制度があります。
生まれてから21歳までの障害を持つ子供には、無料で公教育を受けられる障害者教育法があります。
障害者教育法では、個人のニーズにあった教育計画書(個別教育プログラム)が作成され、教育や支援が受けられます。
個別教育プログラムは法的に守られており、家族や教師、心理士、法律家など複数の人が関って決められます。
また、3~5歳までの幼稚園児に対しても、障害者に対する特別支援があります。
幼稚園の先生は2人以上付き添いがマストで、必要であればティーチングアシスト(補助する人)や心理士も付くそうです。
幼稚園では、健常者の子供と一緒に触れ合えるインクルーシブ教育も取り入れています。
6~18歳までは、特別支援教育があり、自分の特性にあった学校を選択することが可能です。
もし、特別支援教育に専門士やサポーターがいなければ、教育委員会から派遣されるそうです。
さらに学校卒業後の就労では、自分の特性にあった職場への斡旋、支援が行われるようです。
これらはあくまで一例であり、その他にもNPO法人やボランティアなど、発達障害の人に対する支援は多大にあります。
アメリカでは、発達障害の人が進むべき未来が間違わないように、成長過程の支援が充実していると感じます。
特に個人教育プログラムは、日本でも絶対に取り入れるべきです。
発達障害の人は、自分の全てを把握する必要があります。
でも発達障害の人は、自分のことを試みることが非常に苦手です。
自己分析が出来ないので、他者からの評価が絶対に必要です。
自分の特性にあった学校や専門分野に進むことで、発達障害であっても能力を発揮できるのです。
逆に、自分の特徴以外の道に進むと、発達障害の人の人生は絶対に上手くいきません。
他にも世界一幸せな国と言われているフィンランドでも、アメリカと似たような発達障害の人に対する支援があります。
フィンランドでは3~5歳くらいの幼稚園の頃から、発達障害のある子供に個別の支援計画書が作成されます。
専門家やセラピストのサポート、家族に対しても情報の共有、相談、交流など、子供が小さい頃から支援が充実してます。
6~18歳までは、発達障害の子供に学校や地域の施設で、特性に配慮しながら日常生活や社会性を学べる機会が提供されます。
学校卒業後の進路・就労においても、自立できるように、国の支援やサポートが継続されます。
障害者サービス法によって、発達障害の特性の配慮、個人の希望する支援やサポートの権利が保障されているそうです。
発達障害の人に対する必要な支援がわかっていると感じます。
とにかく、発達障害の一人ひとりに合った支援計画書(人生の進むべき道)が必要不可欠なのです。
日本でも発達障害者に寄り添った手厚い支援制度を作るべき
日本でも、発達障害の人が健常者と同じように学べるインクルーシブ教育を取り入れてはいます。
しかし、一部の地域でしか活発でなかったり、それほど充実しているとは言えません。
厚生労働省のHPでも「日本の発達障害者支援は、まだまだ不十分な面が多く、発達障害者やその家族が抱える様々な課題に対応できていないという声もあります」と書かれています。
そもそも、発達障害専門の支援の法律が無いです。
個人や民間レベルでのサポートはありますが、これと言って決まった制度が無いのは致命的だと思います。
早急に、発達障害の人に対する支援計画書(個別プログラム)制度を制定する必要があります。
発達障害の人が18歳まで歩むべき道を、専門家が作るべきなのです。
自由が無いと思われてしまうかもしれませんが、それは発達障害に生まれたから仕方がないのです。
健常者と同じような人生の選択肢が無いからです。
学校や生活において、常に困難な立場になってしまう発達障害の人は、どうするべきなのか他者が決めるべきなのです。
発達障害の人が自分で考えて行動しても、絶対に上手くいかないからです。
ある程度決められた枠組みを作り、人生のレールから外れないようにする必要があるのです。
学校卒業後の就労でも、継続して支援する必要があります。
発達障害の人は社会性が欠如しており、職場において精神的な問題を抱えやすいです。
現在は、個人で心療内科や精神科に通って問題を解決するしかありません。
発達障害専門のメンタルケアサービスがあっても良いと思われます。
就労について
現在は障害者雇用や就労継続支援サービスなどがありますが、どう考えても最底辺です。
就労継続支援B型は時給200円くらい。
就労継続支援A型でも県の最低賃金の時給に設定されています。
障害者雇用も月の給料は、身体障害者が約21万円、知的障害者が約11万円、発達障害は約12万円となっています。
障害者雇用、就労継続支援のどちらも、発達障害だけを対象にはしていません。
障害者が健常者と同じように会社に貢献するのは難しいですし、生産性も低いので仕方がない面もあります。
しかし、発達障害の人は、自分の得意な事や特性に合った仕事であれば、健常者以上のパフォーマンス(働き)ができます。
ただ、その道に進めるのが一握りだけなのです。
現在の発達障害の人に対する国の支援や理解は乏しいです。
発達障害の人が間違った道に進みやすく、誰にでもできる低賃金の仕事しかできなくなっているのです。
まとめ
発達障害でも人並みの幸せを得たいです。
その為には、子供の頃から発達障害のひとり一人に合った個別の支援計画を作る必要があります。
自分の長所に合った将来を、小さい頃から決めておく必要があるのです。
現在の日本では、発達障害だけを支援・サポートする法律はありません。
発達障害の全容はまだ解明されていないですし、一人ひとり特性は異なるので難しいと思われます。
しかし、発達障害のASD・ADHD・LDのいずれも人生において困難となる特徴はほぼ同じです。
ある程度の支援方法は判明しているので、国が積極的に法整備を考えて欲しいと願っています。
発達障害の人は年々、増え続けております。
今では10人に一人の割合で発達障害者がいるとされています。
グレーゾーンを含めれば、もっといると思います。
発達障害は親からの遺伝であり、親が発達障害であれば子供に高確率で伝わります。
また、不衛生な生活、高齢出産のリスクなどからも、発達障害の子供が生まれます。
今後、発達障害の人が増えることはあっても、減ることは絶対にありえません。
数年~数十年後には、5人に一人は発達障害になるのではないかと予想します。
発達障害の人が多くなる未来は決まっています。
将来的に多数の発達障害の人が苦労しない為にも、発達障害者専用の手帳や支援制度を確立する必要があると思います。