最近は見なくなりましたが、
3~4年前までは、引きこもりを強引に
家から追い出す手法を取る保護者の方が
いました。
もちろん、親自身が引きこもりを
説得しても無駄なので、
業者に頼んで強制的に部屋から追い出す
というものです。
その様子はテレビで一時期話題になり、
引きこもりを悪いもの扱い、
親が可哀想といった印象を与えていたのです。
昔は、引きこもる理由は、
本人の甘えとされており、
原因や理由について深く追及して
いませんでした。
生産性がない引きこもり=社会の悪
とされており、無理やり追い出すのが
正解だと思われていたのです。
しかし、本人の意思を無視して、
いきなり外の世界に放り出されても
適応できる人は少ないと思われます。
引きこもる理由は人それぞれありますし、
原因を特定しないまま
力づくで追い出してしまうと、
さらに悪化してしまう恐れもあるのです。
また、業者も引きこもりを金儲けの
ビジネスとしかとらえていません。
引きこもり問題を全く知らないし、
当事者の気持ちもわかっていないのです。
保護者の立場からすれば、
「何とかして引きこもりを立ち直らせたい」
と必死です。
しかし、引きこもりの本当の解決法や
精神的問題を知らない業者に頼んで
無理やり追い出しても、
何の解決策にならないのです。
前に引きこもりの実態に詳しい著者の
本を読んだことがあります。
そこには、このように無理やり引きこもりを
追い出す手法は完全に間違っており、
もっと早く気づいて、止めるべきだったと
書かれていました。
引きこもり当事者の気持ちを考えず、
二次的な問題に繋がるからです。
私も15年以上引きこもっており、
末期的状況です。
もし、同じようなことをされていたら、
精神が崩壊して自〇していたと思います。
業者が引きこもりを無理やり家から追い出して
次に生活させる場が、同じ境遇の人との
共同生活を強いられるからです。
引きこもりの人は、人との触れ合いが
非常苦手で、繊細な人が多いと思います。
もちろん、そのような場で慣れさせて、
改善できる適応力の高い人はいると思います。
しかし、ほとんどの引きこもりには無理です。
そもそも、引きこもりは自分で解決できない
問題を抱えているから、
引きこもっているわけです。
原因を考慮せず、いきなり環境を変えられて
生活しろと言われても、
適応できるはずがないのです。
引きこもりを家から追い出す前に考慮すべきこと
業者に頼んで無理やり引きこもりを
家から追い出したところで、
何の解決にもなりません。
事前に、当事者の現状を把握し、
何故引きこもっているのか、
原因を究明する必要があるのです。
引きこもりの原因は人それぞれですが、
基本的にメンタル的な問題を
抱えていると考えられます。
私の場合ですと、広汎性発達障害と
軽度知的障害(全IQ67)が
あげられます。
精神障害のせいで、
対人関係が全く築けなかったこと、
IQが低すぎて、
無能で全くの役立たずが原因です。
発達障害を抱えている
引きこもりの割合は、
厚生労働省の調査で2~3割、
実際には8割以上いると
されています。
私も少なくとも8割以上は、
発達障害および、類似する精神障害を
抱えていると思います。
引きこもりの原因は、学生であれば
対人関係、青年以上であれば、
社会に適応できないことが原因です。
精神に何かしらの問題を抱えていると
普通の人と同じような言動や行動が
出来ないのです。
そのため、普通ではない少数派は、
排除される側に追いやられます。
学校や社会から孤立してしまい、
引きこもってしまうのです。
引きこもりの原因を探すには、
当事者の精神的な問題を
考えることが必須なのです。
二次障害
引きこもっていると、
精神や肉体に異常が引き起こされて、
二次的な問題を抱えている人も
多くいます。
私の場合ですと、
精神的な問題では発達障害の
二次障害と被りますが、
「社交不安症」「対人恐怖症」
「視線恐怖症」「軽度鬱」
など、他にも自分で気づいていない
問題があると思います。
肉体的な問題としては、
元から悪かった目の視力が、
0.1以下になっていると
思います。
さらに、目の網膜がやぶれて
手術(レーザーで網膜を焼く)
しました。
昼夜逆転の生活で
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)も
10年近く治っていません。
引きこもりの人は、
精神や肉体に二次的な問題を
抱えてしまっています。
そのような状態で、無理やり
外に追い出されても、
悪化させる恐れがあるのです。
ネット上では
業者が引きこもりを無理やり外に
連れ出す手法の賛否について、
ネット上のコメントを拾ってみました。
治したところで長年の無職を
社会は受け入れないと言うのに一カ月20万だって
更生施設の利用料金。高過ぎない?施設に強制入所させて親は
毎月30万円とかの料金払うらしいな
まあ問題ありすぎだよ問題はこれで引きこもりが
更正できた例を一つも聞いたことがない
ということだな(笑)高齢で引きこもってるのは精神障害だろ。
ぶち込むのは施設じゃなくて
精神病院が最適じゃないのか中高年の引きこもりなんて
社会構造的な問題なんだから
こんなの全く意味がないのに親御さんが普通に引っかかっちゃう
くらいにまいってるってことなんだよな
この問題国は早く手を打たないと
ほんとに手遅れになるぞこれ
引きこもりの人が考えていることは、
一度社会からはみ出ると、
「普通の人にはなれない」
という気持ちを持っていることです。
長期引きこもりを受け入れる程
甘い社会ではないとわかっているので、
絶望しかなく、引きこもり続けるのです。
親にとっては子供の引きこもりを
なんとしても直したいと願っています。
そのため、上手いことが書かれている
業者の広告に騙されやすいです。
金儲けのためには弱者の弱みに付け込む
卑劣なやり方もいとわないのです。
月に2~30万円という法外な値段で、
しかも引きこもりの実態をまったく
わかっていない業者がほとんどです。
まとめ
引きこもりの原因を考慮して
問題を解決しない限り、
無理やり家から追い出す方法は
逆効果となります。
引きこもってしまった理由は
人それぞれですので、
その人に合った解決案を提示
する必要があるのです。
引きこもりを解決するには、
1.当事者の現状把握
2.当事者の考えを知る
3.専門機関に相談する
の手順を踏んでいく必要があります。
当事者の気持ちを考慮せずに、
家から追い出したところで、
何の解決にもならないとういことだけは
理解しておいて欲しいと思います。
現状として、国や自治体などの
引きこもり支援は全く期待できません。
私自身も引きこもり相談の電話を
したことがありますが、
話を聞いてくれただけで、
何の解決策もありませんでした。
ネットで色々と調べてみましたが、
有力な解決法も見つかりません。
引きこもりは自己責任であり、
仕方がないとは思います。
しかし、先天性の脳の機能異常や
劣悪な環境による二次問題を抱え、
普通ではない人生を送ってきました。
仕方がないという気持ちと同時に、
あきらめの感情もあり、
今も引きこもり続けているのです。
この状態で今無理やり家から追い出されても
自己肯定感の欠如から、
人との触れ合いや社会に対しての恐怖で
精神が崩壊します。
引きこもり期間が1年未満であれば、
多少(数%)適応できる可能性はありました。
しかし、長期引きこもりになってしまうと、
その確率はほぼ0です。
確実に普通の人から区別される存在となり、
劣等感を抱え続けて人や社会に接触することが
不可能なのです。