ASD(アスペルガー)を持つ私たちには、健常者とは異なる考え方があります。

特に、一度決めたことや必要なことに対しては、常に120%以上の力を注ぐ傾向があります。
これは、私たちの特性であるこだわりや、ゼロサム思考によるものです。

例えば、私は子供の頃の野球の試合で、明らかにアウトになるプレイでも、私は全力でベースに向かって走りました。
周りからは「アウトなのになぜ全力で?」と言われましたが、私には手を抜く理由がわかりませんでした。常に本気なのです。

また、食品加工工場でアルバイトしていた時は、夜11時から朝5時までの作業を、他の真面目な短期アルバイトの人たちと共に行いました。

私は、予定よりも2~3時間早く作業を終えるほど、200%の力を注いでいました。
しかし、その結果、契約外の肉体労働をさせられることになり、疲労困憊しました。

この経験から、私は「適度」がわからず、周りができる人たちだったため、自分も同じようにしなければならないと感じていました。
ASDの人は、こだわりやゼロサム思考が強く、一度決めたら一心不乱になりがちです。

今回は、ASDの人がなぜ何でも手を抜かずに頑張ってしまうのか、その理由を探っていきたいと思います。

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ASDの人が限界まで頑張ってしまう理由

発達障害のASDを持つ人々が、自分の能力や限界を超えてしまう傾向にあるのは、自己認識の難しさに起因しています。
自分の能力を正確に把握することが苦手であるため、過度に頑張りすぎることがあるのです。

また、自分に合わない仕事であっても、無理をして続けることで、心身の疲労が増してしまいます。

では、なぜこのように頑張りすぎてしまうのでしょうか。
その根底には、自己評価の低さがあります。

発達障害の特性により、自己肯定感が低下しやすく、自信のなさが他者の評価を過度に気にしてしまう原因となります。

そして、「期待に応えなければならない」というプレッシャーを感じることで、限界を超えた努力をしてしまうのです。

ゼロサム思考の影響

ASD(アスペルガー)を持つ私たちは、人によりますが、極端な見方や考え方をします。

好き嫌いがはっきりしており、一度ダメだと思うとすぐに諦めてしまう傾向があります。

人から嫌われたらもう終わりだと感じたり、好きなことにはとことん没頭することも。

自閉症アスペルガーASDの白黒思考は最悪!0か100はっきり決めつける極端な考え方の末路とは

このようなゼロサム思考は、仕事や勉強を限界まで頑張りすぎる原因になります。

集中しすぎて基本的な生活習慣をおろそかにしたり、自分のキャパシティを超えていることに気づかず、体調不良や燃え尽き症候群を引き起こすこともあります。

規律とルール:ASDの人々の真摯な取り組み

自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)を持つ私たちは、規律やルールを厳守することで安心感を見いだします。
想像力が乏しいため、曖昧な状況は不安を引き起こし、明確なルールが行動の指標となるのです。

このため、一度決めたルールは徹底して守り、こだわりを持ちます。
アルバイトであっても、正社員並み、あるいはそれ以上の働きをすると自分に課します。
社会的な期待に応えることが当然と考えるあまり、真面目すぎる思考に陥ることがあります。

しかし、自分が「それほど真面目に取り組まなくても良い」と判断した場合は、適度に手を抜くこともあります。
ASDの人々は考え方が極端で、自分のルールに従って行動する傾向があります。

過労と精神疾患:ASDのリスク

ASD(アスペルガー)を持つ人々は、しばしば「手を抜く」という概念が理解しにくいため、120%以上の力を注ぎ続けることがあります。

これは、自分の限界を超えた努力をすることにつながり、結果として過労やうつ病に陥るリスクを高めます。

私たちASDの人々は、得意なことには非常に熱中することができますが、苦手なことに対しては、健常者よりも多くの労力を必要とします。
これが、心身の疲労を増大させる原因となります。
特に、自分にとって適正外の事柄に取り組む時は、その疲労はさらに顕著になります。

現代社会は、コミュニケーション能力やマルチタスクが求められる環境であり、ASDの人々にとっては特に生きづらいと感じられることがあります。
変化に順応する能力が低いため、ストレスが溜まりやすく、精神疾患にかかりやすい傾向があります。

ASDの人々は、自分が頑張りすぎていることに気づきにくく、また周囲に相談することも少ないため、精神疾患のリスクが高まります。

まとめ

ASDを持つ人々は、一度決めたことや必要と感じたことに対して、全力で取り組む傾向があります。
これは、自分の適性に合致している場合、非常に高い生産性を発揮することができるからです。

しかし、ASDの人々は得意分野が限られており、一般的な人々のように広範囲にわたって平均的な成果を出すことは難しいかもしれません。

発達障害を持つ人々は、自己分析を深く行い、自分に最適な道を見つけることが重要です。

社会的な期待やルールに対しては、しばしば自分の限界を超えてしまうほどの努力をしてしまいますが、これは後に過労やうつ病につながるリスクがあります。

無理なく、適度に取り組むことが理想的ですが、ASDの特性上、これが難しいと感じることもあるでしょう。
経験や知識を積むことで、この傾向を緩和することが可能です。

無駄なことや意味のないことに対しても、自分が行うべきだと感じたら、一途に取り組んでしまうことがあります。
しかし、これは徒労に終わることもありますので、多角的な視点を持ち、本質を見極めることが大切です。

マニュアルや指標がない場合には、自己流で進むことが多く、失敗することもありますが、こだわりが強いために、無駄だと知りながらも続けてしまうことがあります。

発達障害の人々には、他者のサポートや理解が不可欠です。
周囲の人々が理解を示し、適切な支援を提供することで、ASDの人々が自分の能力を最大限に発揮し、健康的な生活を送ることができるようになるのです。

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