発達障害の自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の子供は、幼年期時代に反抗期が無い、もしくは遅い場合があります。

発達障害の脳の凹凸の影響から普通(定型発達)の人とは異なる思春期の成長をするからです。

普通の人であれば、思春期となる12歳~15歳前後に反抗期が訪れます。
自己主張が強くなり、年上の人に従うことが嫌になる、何事にも反発したくなる、無敵感を抱いたりしてしまいます。

しかし、発達障害のアスペルガーASDの子どもの場合、感情、思い付き、思考などに問題を抱えています。
その為、アスペルガーASDの思春期は、普通の子どもよりも苦労してしまう、もしくは極端に何も起こらない状態となります。

今回は、発達障害の自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の思春期についてお伝えしていきます。

反抗期が無い発達障害アスペルガーASDの子供や大人・健常者との違いについて

私は自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)ですが、子供の頃から大人の今現在まで、反抗期は全くありませんでした。
問題行動や暴言、反発などは一切なく、ある意味育てやすかったと思います。

なぜ私に反抗期が訪れなかったのか。
理由はたくさんあります。

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孤立型アスペルガー・受動型アスペルガーの影響

私は孤立型アスペルガーと受動型アスペルガーの特徴が物凄く当てはまります。
どちらの特徴も、思春期に反抗期が訪れない理由があります。

孤立型アスペルガー

孤立型アスペルガーは、一人でいることを好みます。
他者との交流を極力避けて、自分の世界に籠るのです。

アスペルガーASDの人は、生まれつき孤立型になることは稀です。
育った環境によって、孤立型の性格となります。

一人でも寂しくない孤立型アスペルガーの特徴・原因

孤立型アスペルガーの人は、親や兄弟でさえもあまり接触・会話したくないと思っています。
自分の好きなこと、興味があることに没頭しており、他のことはどうでもよくなります。

思春期の頃に孤立型アスペルガーの性格の場合、本人の邪魔さえしなければ、反抗期はそうそう起こりません。
親と交流したくないので、極力無視、避けて行動します。

しかし、自分のしていることや興味を持っていることに対して邪魔をされると、物凄く激しい怒りがこみ上げてきます。
アスペルガーASDの興味の限定、視野が狭いことが関係していると思われます。

とにかく、自分のしていること・熱中・集中している時にちょっかいを掛けられると、理性を失いそうになるくらい狂暴化します。
私は大人になった今でも、その感情が起こってしまいます。

思春期の子供の頃に、熱中しているときに親から注意されたり、怒られると、3日くらい根に持つ、もしくは手遅れとなります。
ある意味、普通(定型発達)の人以上の反抗期になってしまう可能性があります。

孤立型アスペルガーの反抗期は「無視」「いない物扱い」が基本です。
暴れたり、暴言をし続ける特徴は多少ありますが、行き過ぎることは稀です。
とにかく触れ合いたくない、親と会話したくなくなります。

受動型アスペルガー

受動型アスペルガーは、自己の存在が希薄の状態です。
自分で何をどうしたらいいのかわからない。
主体性が全くなく、全て他人任せです。
頭の中が常に真っ白であり、他人の言いなりになってしまいます。

受動型アスペルガーの対人関係・社会性の特徴

いじめられやすい受動型アスペルガーの特徴と対応・克服の仕方

反抗期においては、普通の人に見られる反発心や自己主張が受動型アスペルガーにはない・薄い状態です。

受動型アスペルガーの子供は、親や教師などの言葉や指導をそのまま受け入れてしまいます。
疑問や反発する心などが思いつかない、気づけない為、何でも信じてしまいます。

反抗期が受動型アスペルガーに訪れないのは、自分の主張が無く、疑う心が無い・湧かないからです。

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家庭が崩壊していた

発達障害(アスペルガーASD)の私の父親は、浮気をしており、家族が不仲状態でした。
深夜の3時に帰宅してくる。
朝に両親が喧嘩している。
家族がほとんど口を聞いていない状態でした。

私が中学生時代の3年間、そして高校1年くらいまでは末期的な状態でした。
その頃がちょうど普通の人に訪れる反抗期の期間だと思われます。

私は、親が不仲、家庭崩壊していた為、そもそも親とのコミュニケーションがありませんでした。
当時、酷すぎるイジメに遭っていましたが、全く相談などはできない状態です。
そもそも発達障害ASDの影響から、相談するという選択肢すら頭にはありませんでした。

家庭が崩壊していると、反抗期は訪れません。
家族が大変な状態であり、子供は自分のことで迷惑を掛けられない、相談できない、反抗できない状態だからです。

その為、反抗期において親に暴言や反発はありませんが、無断外泊、家出などの問題行動が出てきてしまいます。
家に居場所が無い為、他でストレスを発散する、助けを求めるのです。

発達障害ASDの私の場合、受動型アスペルガーの影響から、家庭崩壊を受け入れるしかありませんでした。
主体性が全く無い為、あるがままを反発せずに受け入れるだけ。
心の中は常に辛い状態です。

しかし、受動型アスペルガーの特徴として忍耐力があります。
他の人の家庭環境が想像できず、自分の置かれている状態が普通だと思い込んでいるからです。
普通の思考であれば、ぐれてしまう恐れがあります。

イジメを受けていた

思春期の頃にイジメを受けていると、発達障害ASDの子供は反抗期になりずらいです。

思春期の頃のイジメは、親に相談しずらいです。
自分のプライドによって親に弱みを見せたくない。
イジメをしている人から、「親や教師に言ったら〇す」などとおどされているからです。

イジメを自分の中だけで消化し、我慢し続けてしまいます。

普通(健常者)の子供であれば、イジメのストレスから親に反発し、イライラをぶつけてしまうこともあります。
思春期の反抗期であれば、壮絶だと思われます。

しかし、発達障害ASDアスペルガーの場合、イジメを受け入れてしまい、親や教師に相談することができません。
受動型アスペルガーの場合、我慢して耐えてしまうのです。
それが普通の環境であり、当たり前だと思っているからです。

イジメを受けているとASDは辛い気持ちを抱えるだけで、反抗期の感情は持ち合わせないのです。

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反抗期がない大人の特徴

私は子供の頃から大人の今現在まで、反抗期は一度もありません。
子供の頃の劣悪な家庭環境、発達障害の影響から反抗期の気持ちにならなかったからです。

しかし、反抗期が無かった影響から、親や目上の人の意見を全く聞けない大人になってしまいました。
発達障害ASDの影響もあると思われますが、信用していないのです。

そもそも子供の頃からほとんど会話が無く、自分で考え行動してきました。
発達障害の影響から全て人生の選択肢を間違えてしまいましたが。

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年長者の人の意見は聞くべきだと思います。
経験からくる物事の判断が適切だからです。

しかし、反抗期が無かった私は、何故かそれが理解できず、受け入れることが出来ない。
「自分一人で何とかするしかない」と思い込んでいるのです。

子供の頃に反抗期が無かった影響から、大人になった今でも親や兄弟との触れ合いを拒絶してしまいます。
引きこもりの影響もありますが、それ以上にとにかく会話をしたくない。
心が拒絶しているのです。

一般的に子供の頃に反抗期が無かったら、大人になると自己主張が出来ず、心のうちに問題を抱えてしまうようです。
うつ病や引きこもりになりやすいとも言われています。

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発達障害と健常者の反抗期が違う理由

発達障害の人は脳に凹凸があり、普通(定型発達)の子供と同じような成長ができません。
その為、感じ方や物の見方が健常者の子供と違い、思春期において反抗期の大変さが異なります。

発達障害の子供は、コミュニケーションの困難さ、感情のコントロールの違い、環境の適応能力が低い特性があります。
普通の子供よりも、些細なことで気持ちが乱れ、親に反抗的になったり、否定をしてしまいます。

発達障害の子供は、感情や思いを言葉で上手く伝えることが非常に苦手でイライラしやすいです。
その為、反抗期において普通の子よりも、より狂暴化してしまう可能性があります。

発達障害の子供は物事が普通の人のように上手くいかず、癇癪を起しやすいです。
思春期の反抗期においては、より顕著になってしまい、対応が難しいのです。

発達障害の反抗期が遅い理由

発達障害の子供の反抗期が遅い理由は2つあります。

1つ目は、発達障害特有の脳の問題です。
発達障害の子供は、脳の特性から普通の人と異なる問題に遭遇してしまいます。
ASDは対人関係、ADHDは不注意、LDは学習問題など。

常に何かしらの問題を日常、学校生活で抱えています。
心の中ではいつも困っていたり、不安、辛さを抱え続けています。

発達障害の子供は常にストレスを感じている状態であり、反抗期に訪れる不満感を抱き続けているのです。
その為、思春期に訪れる反抗期でも、同じように我慢し続けている傾向があるのです。

しかし、いつか感情が爆発してしまう恐れがあります。
普通の子供の反抗期が終わった後で、それが起こることもあります。

発達障害の子供は年齢が上がるにつれ、人生の困難さは比例して増していきます。
年齢が上がるにつれ、対人関係、社会性、学習がより難しくなるからです。

ストレスが大人になるにつれ増加する為、遅れて発達障害の人が反抗期になってしまうのです。

2つ目の理由は、IQの問題です。

IQの値によって精神年齢が異なります。
軽度知的障害のIQが60であるとすると、3~5歳くらい幼くなります。

普通の子供の思春期は12~15歳前後ですので、IQに差がある分だけ反抗期が遅れる計算となります。
育った環境によってストレスの感じ方、情緒の発達は人それぞれですので、一概には言えません。

普通の子供と同じようにIQの低い人が同じ環境で育った場合、逆に反抗期が早まる可能性もあります。
IQが低いだけで、困難にぶち当たる可能性が高いからです。
環境のミスマッチからストレスやマイナス感情を抱えてしまいます。

IQの問題から引き起こされる親への不満や反抗心は、普通の反抗期とは異なります。
しかし、親にとってみれば大変な思いをすることは変わりません。

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まとめ

自閉症スペクトラム(発達障害アスペルガーASD)の人は、反抗期が無かったり、薄い可能性もあります。
生まれついての脳の問題から、普通の子供と同じような思春期の経験をしないからです。

発達障害は同じ症状を抱えている人はいないと言われています。
反抗期も同様に環境によって反抗期になってしまう確率も変わります。

全ての発達障害ASDの人が反抗期が無い、遅いことはないです。
人それぞれということです。
ですが、脳の特性上、発達障害ASDの人は、反抗期が低いと思われます。

ADHDの人の場合、感情が豊かな分、思春期での反抗期が激しいと言われています。
衝動的でイライラしやすく、反抗挑戦性障害と呼ばれる二次障害になることもあります。

一般的に、子供が反抗期になる確率は60%と言われています。
発達障害の人は、脳の問題、環境によって違うため異なります。

ですが個人的には、ASDは40%以下、ADHDは60%くらいの割合で反抗期が訪れているような気がします。

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