昔は、引きこもりがいなかったのでしょうか。
「引きこもりがいない」というわけではないのですが、その数は相当少なかったと思います。

厚生労働省のデータでも、引きこもりの人数は、1990年代から2024年の今現在で急激に伸びています。
人数別に比較すると、以下のようになります。

1990年代:厚生労働省の10~20代を中心とした「ひきこもり」をめぐる地域保健活動のガイドライン(暫定版)』によると、ひきこもりの推計人数は10万人程度です。

2010年は、61.3万人、2020年代は146万人と、50人に一人が引きこもりだとも言われています。

昔は、引きこもる要素少なかったことが要因だと思います。
例えば、家族や地域のつながりが強く、引きこもりになりにくい環境が多かったと言われています。
しかし、現代は核家族化や都市化が進み、孤立感や疎外感が増しています。

また、昔は、学校や職場でのいじめやハラスメントが表面化しにくく、引きこもりの原因となることが少なかったと考えられます。
現代はSNSやネットの普及により、オンラインでのいじめやハラスメントが増えています。

今の時代は、引きこもりになってしまう要素がたくさんあると思います。

・新卒で無くなると就職が難しくなる

・発達障害の増加

・経済的な不安や貧困が深刻化し、引きこもりになると脱出が困難になるケース

など、社会の変化や個人の事情によって、引きこもりになるリスクが高まっているのです。

昔の時代の引きこもりを調べてみると、江戸時代は「隠居者」、明治時代は「無偽者」、大正時代は「失業者」と呼ばれていました。
しかし、これらの時代の引きこもりは、存在していても本当に少数だと思います。
引きこもって生きていけるほど甘い時代ではないと思うからです。

今回は、引きこもりの歴史や変化について書いていきたいと思います。

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昔は引きこもりがほとんどいなかった理由

昔は、引きこもりがほとんどいなかったと言われていますが、本当にそうでしょうか?
実は、昔から引きこもりは存在していました。

例えば、江戸時代には、隠居や隠遁という形で、社会から離れて暮らす人がいました。
また、明治時代には、病気や障害などの理由で、家族に隠されて生活する人もいます。

これらの人たちは、現代の基準で言えば、引きこもりと呼べるかもしれません。
しかし、昔の引きこもりは、今の引きこもりとは、いくつかの点で異なっています。

家族や地域のつながりが強かった

昔は、核家族化や都市化が進んでいなかったため、家族や近所の人との交流が多くありました。
親や兄弟、親戚や友人など、身近な人たちが引きこもりにならないように気をかけたり、助けたりしていました。

また、地域の行事や祭りなどに参加することで、社会とのつながりを感じる機会も多かったです。

これに対して、今の引きこもりは、家族や地域との関係が希薄になっており、孤立や孤独を感じることが多いです。

教育や就労の機会が限られていた

昔は、義務教育や高等教育の普及率が低く、就労の選択肢も少なかったため、学校や職場に行くことが当たり前という感覚がありませんでした。

学校や職場に行かない人は、農業や家事などの別の役割を担っていました。
また、学校や職場に行く人も、競争や評価のプレッシャーが今ほど高くなかったため、ストレスや不適応を感じる人も少ないと予想されます。

今の引きこもりは、教育や就労の機会が増えた一方で、その要求や期待も高まっており、自分の能力や適性に合わないこともあります。

メディアやインターネットの影響が少なかった

昔は、テレビやラジオ、雑誌などのメディアや、インターネットやSNSなどのネットワークが発達していませんでした。
その為、自宅で過ごすことが退屈や孤独と感じられることが少なかったのです。

また、メディアやインターネットによって、自分と他人や社会とのギャップや不満を感じることもありません。

今の時代は、メディアやインターネットによって、引きこもれる要素がたくさんあり、また抜け出すのも難しくなってしまっています。

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引きこもりはいつから存在するのか?引きこもりの歴史をたどる

引きこもりは、いつから存在するのでしょうか?
引きこもりという言葉が使われ始めたのは、1980年代後半から1990年代初頭ですが、それ以前にも引きこもりに近い状態の人はいました。

ここでは、引きこもりの語源と由来、引きこもりの問題に気づいた最初の精神科医、引きこもりの問題が社会的に認知された時期について見ていきます。

引きこもりの語源と由来

引きこもりという言葉は、どこから来たのでしょうか?
引きこもりという言葉は、元々は「ひきこもり」という漢字で書かれていました。

「ひきこもり」という漢字は、江戸時代に使われていた「引籠り」という言葉に由来します。

「引籠り」とは、仏教の修行者が、世俗の雑念から離れて、自分の部屋に籠って瞑想や読経をすることを意味しています。

「引籠り」は、高い精神的な境地に達するための積極的な行為であり、尊敬されるべきものでした。
しかし、明治時代になると、「引籠り」は、社会から逃げるような消極的な行為として見られるようになりました。

そして、次第に「ひきこもり」という口語的な表現に変わりました。
「ひきこもり」は、社会や学校に参加しない人を指すようになったのです。

引きこもりの問題に気づいた最初の精神科医

引きこもりの問題に気づいた最初の精神科医は、誰だったのでしょうか?
引きこもりの問題に気づいた最初の精神科医は、田中康夫という人です。

田中康夫は、1986年に、東京都の精神科病院に勤務していました。
ある日、田中康夫は、母親に連れられて来院した、20歳の男性患者に出会いました。

この男性患者は、高校を卒業してから、ずっと自宅に閉じこもっていました。
田中康夫は、この男性患者に対して、精神疾患の診断をつけることができませんでした。

この男性患者が、社会や学校に適応できないために、自宅に引きこもっているのだと考えました。
田中康夫は、この男性患者を「ひきこもり」と呼びました。
田中康夫は、この「ひきこもり」という現象に興味を持ち、研究を始めのです。

田中康夫は、1987年に、日本精神神経学会の学会誌に、「ひきこもり」という用語を初めて紹介しました。

ひきこもりを「社会的な役割を果たすことができず、自宅に引きこもっている若者」と定義したのです。

田中康夫は、ひきこもりの原因として、以下のようなものを挙げました。

・家族の過干渉

親が子供の自立を妨げるような過保護や過干渉をすることで、子供が社会に出ることを恐れるようになる。

・学校の不適応

学校でのいじめや不登校、成績不振などの問題によって、学校に行くことが苦痛になる。

・社会の変化

高度経済成長期からバブル崩壊期にかけて、社会の価値観や競争環境が激変し、若者が自分の居場所や将来の目標を見失う。

ひきこもりの治療法として、以下のようなものを提案しています。

・家族療法

親と子供の関係を改善するために、家族のコミュニケーションや役割分担を見直す。

・支援者の訪問

精神保健福祉士やカウンセラーなどの専門家が、ひきこもりの人の自宅を訪問して、信頼関係を築き、外に出るきっかけを作る。

・自助グループ

ひきこもりの人同士が集まって、自分の悩みや経験を共有し、支え合う。

田中康夫は、ひきこもりの問題に早くから取り組んだ先駆者として、多くの人に影響を与えました。
しかし、田中康夫の研究は、当時の社会には受け入れられませんでした。

ひきこもりの問題は、まだ社会的に認知されていなかったのです。

それでは、次に、ひきこもりの問題が社会的に認知された時期について見ていきます。

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引きこもりの問題が社会的に認知された時期

ひきこもりの問題が社会的に認知されたのは、いつだったのでしょうか?
ひきこもりの問題が社会的に認知されたのは、1990年代後半から2000年代初頭です。
その理由としては、以下のようなものが挙げられます。

ひきこもりの数の増加

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、ひきこもりの数が急激に増加しました。
厚生労働省の調査によると、1999年には、15歳から39歳までのひきこもりの数は約61万人でしたが、2002年には約100万人になりました。
ひきこもりの数の増加は、社会に大きな衝撃を与えました。

ひきこもりのメディアの取り上げ

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、ひきこもりの問題がメディアに多く取り上げられました。
例えば、1998年には、NHKが「ひきこもり」というドキュメンタリー番組を放送しました。

また、2000年には、村上龍が「ひきこもり家族」というノンフィクション本を出版しました。
これらのメディアは、ひきこもりの現状や背景を詳しく紹介し、社会に関心を持たせました。

以上のように、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、ひきこもりの問題が社会的に認知されるようになりました。
しかし、これはあくまで一部のひきこもりの問題を表しているに過ぎません。

実際には、ひきこもりの問題は、時代や社会の変化と密接に関係しています。

それでは、最後に、時代や社会の変化とひきこもりの関係性について書いていきます。

時代や社会の変化と引きこもりの関係性について

時代や社会の変化とひきこもりの関係性について考えていきたいと思います。

時代別のひきこもり

ひきこもりは、時代によってその特徴や傾向が変わってきました。

例えば、1980年代から1990年代にかけてのひきこもりは、主に高校生や大学生が中心でした。
これは、バブル経済の崩壊や就職氷河期などの社会的な不安が影響したと考えられます。

また、2000年代以降のひきこもりは、主に30歳以上の中高年が増えてきました。
これは、リストラや離婚などの人生の転機や、インターネットやゲームなどの娯楽の発達が影響したと考えられます。

時代別のひきこもりの数

1990年代後半から2000年代初頭にかけてのひきこもりの数は、急激に増加しましたが、2010年代に入ると減少傾向にあります。

これは、社会の対応や支援が充実したことや、ひきこもりの人の自助活動が活発化したことが影響したと考えられます。

しかし、ひきこもりの数が減少したとしても、ひきこもりの問題が解決したというわけではありません。

ひきこもりの人の中には、長期間にわたって引きこもり続ける人や、再び引きこもる人もいます。
また、ひきこもりの人の年齢層や性別も多様化しています。
ひきこもりの問題は、時代や社会の変化に応じて、変化しているのです。

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まとめ

今の引きこもりの人は、生まれた時代が違っていれば、引き篭もりにならなかったかもしれません。

私は、引きこもり歴22年以上であり、まともに就職した期間は4カ月です。
もし私が、もっと昔の時代生まれていれば、ひきこもりになっていなかったかもしれません。

私の引きこもってしまっている理由は、IQの低さ(70以下)と発達障害です。
昔は、引きこもれるほど甘くなく、ほぼ強制的に働かされていたと思います。
なので、いくらダメ人間でも肉体労働をしたいたと思うのです。

また、昔の情勢では、親や周囲の人が働かない状態を許さないはずです。

そして、昔であれば発達障害に生まれていない確率は非常に高いです。
発達障害の要因は遺伝と言われています。
しかし、それ以外にも現代特有の食生活や脳に与える環境や影響が、発達障害の人を増やしたとも考えられるのです。

本来の人の脳は、昔の方が適切な環境だったのだと思います。
より自然に近い環境、食べ物、体を動かす場面などです。

私の引きこもってしまった理由は、90%以上、発達障害のアスペルガーASDが原因です。

特に現代社会はコミュニケーション能力や社会性が求められます。
その必須の能力が発達障害のASDの脳の凹凸によって、皆無なのです。

昔であれば、今ほど問題視されず、個性やちょっと変わった人扱いでした。
しかし、現代は、本当に生きずらい世の中です。

発達障害の人は特に、サポートと理解が必須になっています。
それが無かったから私は、引きこもりになってしまったのです。

もっと別の時代に生まれたかったと本当に思っています。

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