長年ひきこもって末期的な状況の人は、何を望んでいるのでしょうか。

いつかは引きこもりを脱出したい」と常に頭の片隅にはあると思います。
しかし、現実的に長期間ひきこもっていると、社会復帰はかなりの難易度です。

ひとまずリアルへの帰還は考えず、今ひきこもりの人は何をして欲しいのか、家族に何を期待しているのかを考えていきたいと思います。
20年以上引きこもって、40代半ばになってしまった私の意見を書いていきます。

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40~50代の長期引きこもりが求めている援助

長期の引きこもりが困っていることは何でしょうか。
それは、メンタル、金銭、健康、将来の問題です。
これらの問題が解決されない限り、引きこもりを脱出することは不可能です。
それぞれ、解決する方法が難しいです。

引きこもりが家族や周囲の人に求めているのは、上記の問題に対する支援や理解です。
ここでは、現実世界への復帰に対する援助ではなく、今現在必要な困りごとについて記載していきます。

メンタルの問題

長期の中年、高齢ひきこもりが毎日思い悩んでいるのが気持ちの問題です。
鬱や社交不安症によって他人と接することができません。

引きこもっていても日常では、様々な人と接する機会があります。
例えば、近所の人との交流です。

私の家の場合、住宅街であり、四方が他家に囲まれています。
近所付き合いも昔からあります。
町内の行事もあります。

その為、強制的に近所付き合いをしなくてはならない状況です。
回覧板は毎週回ってくるし、ゴミ捨て場の網張りや看板立てが毎月あります。
町内会費の集金も年2回あり、町内会議や草刈りなど、様々な行事があるのです。

近所付き合いは、長期高齢の引きこもりにとって不可能です。
絶対にコミュニケーションをとる必要が出てきます。
また、リアル事情を根掘り葉掘り聞いてくるでしょう。

その為、近所の出来事の全てを家族にやってもらう必要があります。
絶対に引きこもり当事者に近所の人と触れ合わせるようなことをしないでください。
本当にみじめですし、辛い思いをしてメンタルが崩壊します。

なるべく穏便に近所付き合いを家族の人がしてくれることを、長期の引きこもりは望んでいます。
出来れば、恥をかかないようにしてほしいと願っています。

他に引きこもりが他者との接触する機会として、病院があげられます。
これは家族の支援とは関係はありません。
もちろん、病院へ親と一緒に行く場合もあります。
その時はなるべく、引きこもり当事者の自尊心を低下させるような辱める行動をしないようにしてください。

長期の引きこもりでも、病院へ行く機会があります。
引きこもりは働いていないので、保険証が親の扶養になっています。
中年、高齢の年齢の引きこもりということが、受付の人や担当医にバレバレです。

私は眼科で酷い対応をされて、惨めすぎる気持ちになったことがあります。
「お金はちゃんと払えますか」と言われたり、保険証を見せた後での対応があからさまに酷かったからです。

引きこもりは元から自尊心が低い為、他者から冷たくされるとメンタルが非常に悪化します。
病院のスタッフや引きこもりの人と触れ合う機会がある人は、あからさまな態度を取ったりしないで欲しいと願っています。

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お金の問題

引きこもりは働いていないのでお金がありません。
欲しいものや食べたいものがあっても、買うことが出来ないのです。

ただ、長期の引きこもりになると、物欲はほとんど無くなります。
お金が無いので、諦めてしまうからです。

お金が無ければ、活動することができなくなります。
何を行動するにしても、お金が無いことでやる気も無くなるのです。

家族や親にお金を支援してほしい所ではあります。
ですが、引きこもり本人はプライドもありますし、受け取ることは難しいです。
私も20年以上引きこもっていますが、医療費以外は出してもらっていません。

ただ、現実的にお金が無いとどうすることもできません。
社会復帰を考える事すら不可能です。
ではどうすればいいのか。

私は、障害年金を申請しました。
障害年金は、身体障害・精神障害・知的障害がある人が受給する権利があります。

長期の高齢引きこもりの場合、精神に何かしらの問題がある可能性があります。
厚生労働省の調査では引きこもりの8割は精神障害を抱えているとされています。

私の場合は、発達障害ASDでした。
発達障害でなくても、鬱病や統合失調症、軽度知的障害(IQ70以下)などであれば申請は可能です。
ただ、障害年金は審査が厳しいとされています。
また、申請書類の記載も難しく、社労士に依頼した方がいいかもしれません。

長期の中年・高齢ひきこもりにとって、お金は必要不可欠です。
逆にお金があれば、精神が安定し、将来を悲観せず、やる気が出てくると思われます。

中年・高齢ひきこもりが自ら障害年金を申請する考えに至ることはあまりないです。
家族が積極的に行動して、サポートしてあげて欲しいと思います。

障害年金の申請には、まず引きこもり本人が精神科や心療内科へ通う必要があります。
そこで、担当医に診断書を書いてもらう必要があるのです。
手間暇がかかりますし、家族の人の手助けが必要です。

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健康の問題

長期間ひきこもって中年・高齢になってしまうと、身体的問題が出てきます。

私の場合、毎日PCの前にすわっている為、無理な態勢や運動をすると数日間腰が痛くなります。
また、目の病気も放置してしまっています。
昼夜逆転の生活から、自律神経失調症、甲状腺機能亢進症などもあります。

長年、外に出ず家で引きこもっていると、何かしらの健康上の問題があります。
しかし、本人は体の不調があっても放置してしまいます。
病院へ行くことが出来ないからです。

ただ、本当に深刻な病気や早めに治療した方が良い病気や異常もあります。
よくあるのが、歯の問題だと思います。
歯は自然治癒することはありません。
放置すればするほど、取り返しのつかないことになってしまいます。

家族や周囲の人に支援してもらいたいのは、引きこもり本人の健康状態を見てあげて欲しいのです。

病院へ行くにはお金もかかりますし、恥ずかしい思いをしてしまいます。
それでも、将来を考えた場合、健康でないと何もできなくなります。

病気は早期発見、治療が一番大切です。
引きこもりは健康問題を放置してしまいますので、家族が気にかけてください。

将来の問題

中年・高齢引きこもりが悩んでいる最大の問題が将来についてです。

長期間の引きこもりによって既に人生が崩壊しており、絶望的な毎日を送っています。
自分でも今後いったい何をどうすればいいのか全く分かりません。

もう無理」と諦めているから、引きこもり続けているのです。

出来れば、家族が引きこもり本人の将来の道筋を考えてあげて欲しいと思っています。
引きこもり自身が自分でどうすることもできないから、行動が出来ない訳です。
誰かが将来への希望を示してくれることを待っています。

引きこもりにとって「将来の問題」というのは、金銭とメンタルの安定です。
お金があれば将来を悲観しないです。
メンタルも社会的な地位があれば、安定します。

個人的には、障害者雇用でもいいから働けること。
そして、自尊心が保てる一般人になることです。
その為の過程が自分で考えても結論が出ないから困っているのです。

家族や周囲の人には、引きこもりの人の将来への希望や行動するための方法を考えてあげて欲しいと思います。

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まとめ

長期の高齢・中年引きこもりの人が家族に望んでいる支援は、生活全般に関することです。
主に対人関係や外出に繋がる出来事です。

近所付き合いや電話対応、何かの手続き、ゴミ捨て、親戚付き合いなど。
引きこもり本人は人と接することが極端に苦手なので、誰かにやってもらわなければなりません。

また、健康状態にも不安を抱えており、治せるの出れば、病院へ行きたいと思っています。
親や周囲の人が、積極的に病院へ行けるように促したり、金銭の援助をして欲しいと思います。

極論を言えば、「放っておいて欲しい」です。
とにかく現状を維持したいのです。
行動をして、辛い思いや恥ずかしい気持ちになりたくないのです。

だから、家族に冷たく当たってしまったり、交流が薄くなるのです。
もちろん、いつも親や兄弟には「申し訳ない」という気持ちを抱え続けています。
でも自分ではどうすることもできないのです。

長期の高齢・中年ひきこもりは末期であり、絶望しかありません。
希望が無い為、行動が出来ないのです。

出来れば、国が何かしらの引きこもりを社会復帰させる具体的な支援や方法を提示してくれるといいのですが。
今ある国の施策では何も解決はしないのです。

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