発達障害の人の寿命が短いという噂を聞いたことはありませんか? 実は、これは科学的な根拠がないものです。

しかし、発達障害の人は、生まれつきの特性から、人生に様々な困難に遭遇しやすく、その結果、健康や精神に影響を受けることがあります。

この記事では、発達障害の人の寿命に関するデータや研究、寿命を短くする原因や対策方法などを紹介します。

 

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厚生労働省の障害者データ

厚生労働省の2021年の障害者の年齢の区分が載っていました。

障害者の65歳未満の人の割合と、65歳以上の割合を見てみると、生存率が落ちていることがわかります。

発達障害の区分である精神障害の人のパーセンテージは、65歳未満が61%、65歳情が39%となっています。
約6割の精神障害の人が65歳前後の寿命であることが読み取れます。

知的障碍者の場合、65歳未満の人の割合は84%、65歳以上は16%となっています。
約8割の知的障害の人が65歳を機に極端に下がってしまっています。

身体障碍者は、65歳未満で26%、65歳以上で74%となっています。
65歳を超えると、体に問題が起こる確率が高くなる為だと思われます。

2023年の厚生労働省の平均寿命の発表によると、男性は約81歳、女性は約87歳とされています。

上記のデータを参照に比較・予想してみると、精神障害の平均寿命は65~75前後、知的障害の平均寿命は65歳以下と予測します。

発達障害の場合、普通(定型発達)の人と比べると10歳くらい寿命が短い、知的障害の人の場合、20歳くらい低いのではないかと推測します。

その他、厚生労働省の過去のデータに海外の知的障碍者の平均寿命が少し載っていました。

海外では、知的障害の人の平均寿命は1930年頃は、18.5歳だったそうです。
今から約100年前のことですから、障害に対する理解や支援が無く、若くして辛い思いをする大変な状態だったと思います。

海外の1970年代の知的障害の人の平均寿命は59歳、1990年代は66歳だったようです。
障害を持つ人に対するサポート、生活面の改善などがなされていったと考えられます。

発達障害の人の寿命を短くする原因とは?

厚生労働省の調査をもとに死因の原因を大雑把にあげると、病気が約65%、老衰が10%、その他25%となっています。
そのうち、44歳までの死因の原因は、自殺が1位とされています。

人が自殺をする理由として、人間関係、生活の問題、イジメ、ストレス、社会的孤立など、精神的な問題です。

発達障害の人は、生まれつき脳に様々な問題を抱え、幼年期から大人になるまでずっと普通の人が出くわさない困難に何度もあってしまいます。
自らの命を絶つ人が、普通(定型発達)の人よりも多くなってしまうのです。

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発達障害の特性が原因で短命になる

発達障害の脳機能異常が原因で寿命が短くなる可能性があります。

自分の病気を放置してしまう

発達障害の人は、自分の体の調子が悪くて病院へ行かなければならない状態であっても、病気に気づけなかったり、大丈夫だと思い込んで放置してしまうことがあります。
普通の人から見れば、絶対に病院へ行くべき症状であっても、我慢してしまう、病状を重くとらえていないのです。

私も発達障害ASDの影響から、体の調子が悪くても自然治癒するまで待ってしまったり、末期的な状態になるまで病院へは行きません。
発達障害の想像力の欠如により、未来を考えられないからだと思います。

ちなみに私の父親も120%発達障害の自閉症でしたが、癌を我慢しすぎて、手遅れでした。
63歳くらいでこの世から去りました。

また病院へ行っても、自分の症状を上手く伝えられず、間違った診断、検査されずに終わってしまい、放置してしまう可能性もあります。
発達障害の人は自己分析が苦手だったり、自分の症状を把握できない、コミュニケーションが上手く取れないなど、間違ってしまうことが多々あるのです。

人生が上手くいかずストレスから寿命が縮まる

発達障害の人は特性上、人生に様々な問題が起こり、辛い思いをし続けています。
健常者の人よりも、不安や辛い気持ち、怒りなど、ストレスを何倍も受けてしまいます。

アメリカの大学によると、ストレスによって平均寿命が最高で3年短くなる研究結果があります。

発達障害の人の抱えるストレスは、普通(定型発達)の人の5倍以上はあると思われます。
人によって発達障害の症状は違いますし、人生の成否や運の要素もありますので、一概にはいえません。

ですが、発達障害がもたらす様々な人生の問題によって、少なくとも普通の人の10歳くらいは平均寿命が下がると思います。

発達障害者の多くがストレス性の癌や心臓疾患等で50代までに亡くなるようです。
発達障害者が健常者より
人間関係での失敗、ネットでの失敗、収入の少なさ、家庭を持つ事の難しさ、
孤独、自分にできない事の多さ等の理由で健常者よりストレスを多く抱えやすいのは明らかです。

2次障害

発達障害の人は、人生の辛い経験から精神に2次障害を抱えてしまうことが多々あります。
鬱病だったり、睡眠障害、不安障害など。
これらの精神障害は、メンタルに多大なダメージを与え、脳の萎縮、前頭葉の低下をもたらします。

病は気からというように、ポジティブで精神的に安定していると、健康になれる、寿命が延びると言われています。

発達障害の人は、周囲の人の支援やサポートがあっても、心は辛い気持ちを抱え続けてしまいます。
2次障害を抱えてしまうことも多く、寿命の低下をもたらす原因となります。

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不注意

発達障害の人は、衝動・多動性などから、事故にあってしまったり、怪我を負ってしまうことがあります。
また、感覚過敏・感覚鈍化の影響から、アクシデントに遭遇する確率は高くなります。

私も、何も考えずに行動してしまい、体に怪我を負ってしまったり、普通の人がしない不注意により、病院案件になることがあります。

発達障害の特性上、健常者よりも事故や事件に遭いやすく、寿命が短くなると思います。

食事・栄養管理

発達障害の特性により、好き嫌い・偏食が極端にある人がいます。

発達障害・自閉症の食べ物の好き嫌いが激しい・偏食な理由

偏った食事による栄養不足、栄養過多により、癌になったり、糖尿病などの健康リスクが増大します。

死因の1位として悪性新生物(腫瘍)や健康上の問題があります。
発達障害の人は食事の偏りや不衛生によって、病にかかりやすく、寿命が短くなってしまうのだと思われます。

発達障害の人の寿命を延ばす・長生きするには

発達障害の人の寿命が短い原因は主に、「自分で人生を終わらせてしまうこと」、「健康上の問題」があげられます。

自分で人生を終わらせてしまうこと、つまり「自殺」を回避するには、精神的な安定が必要です。

学生時代であれば、イジメに遭わない。
社会人としては、仕事をして、できれば結婚して老後を迎えるなど。

発達障害の人は、人生において様々な問題に出くわし、精神的に問題を抱えます。
その状態を回避するために、周囲の人の理解やサポートが必須です。
また、自己分析をしっかり行い、自分の進むべき道を把握する必要があります。

健常者の人と同じようには行きませんが、対人関係を安定して孤立しない、相談相手がいる、金銭的な問題を抱えないなど、メンタル面が安定する状態を保つ必要があります。

健康上の問題は、食事の栄養面に関しては、自分では難しいのであれば、他の人に頼るしかないです。
親や栄養士などに相談、ストレスを抱えて暴飲暴食をしない、自分を律する気持ちを持つ必要があります。

自分の病気に気づいたら、放置せず、医師に相談する。
常に自分の健康状態を保つことでメンタルを安定させ、気持ちに余裕を持たせることが大切です。

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まとめ

発達障害の人は、特性上、長生きが難しい状態に陥ることがあります。

ただ、先天性の脳機能の問題である発達障害自体が原因で、短命になるわけではありません。
あくまで個々が抱える発達障害の症状によって、人生の困難がメンタルや健康を害し、寿命が短くなる傾向があるのです。

ちなみに私の父は、発達障害ASDであり、若い頃から不衛生、そしてアル中、ヘビースモーカーの影響から、すい臓癌で亡くなりました。
63歳くらいでした。

1930~40年代の生まれであり、発達障害に気づかず、大変な苦労をしたと思います。
その影響から、不衛生、そして対人関係の悲惨さから心理的ストレスを抱え、病気になったと思われます。

発達障害の人は、健常者よりも明らかに短命になってしまう運命だと思います。
詳しいデータは国の方でも集計していないのでわかりません。
ですが、普通の人が遭遇しない困難により、ストレス、事故などの問題が多く、寿命が短くなる可能性が高いのは明らかです。

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