発達障害(ASD、ADHD、LD)の人の睡眠時間は、健常者と比べてどれくらい差があるのでしょうか。
一般的に、発達障害があるからといって、寝る量の長短が普通の人と極端に違うことはありません。
しかし、発達障害の症状や、特性によって引き起こされる問題によって、ショートスリーパーにもなるし、ロングスリーパーになってしまうことがあります。
発達障害ASDの私は、一般的な睡眠時間(7~8時間)よりもたくさん寝ないと、常に眠気に襲われてしまいます。
発達障害の過敏性や、2次障害による睡眠障害があり、眠れない、2時間おきに目が覚める、小さな音で叩き起こされるなど、毎日睡眠に問題を抱えています。
発達障害の症状は人それぞれであり、短眠や長眠になる理由も様々です。
今回は、発達障害と睡眠時間の関係性についてお伝えしていきます。
発達障害の人の睡眠時間が短くなる理由
発達障害の人の睡眠時間が短くなる理由は、特性による脳の問題があげられます。
・感覚過敏の影響
・ストレスによる不眠・睡眠
・不規則・不衛生な生活リズム
感覚過敏による睡眠時間の減少
発達障害の人は、五感の感覚(嗅覚・触覚・味覚・視覚・聴覚)のいずれか、もしくは複数の感覚過敏を抱えていることがあります。
普通(定型発達)の人よりも普段から脳に強い刺激を受けてしまい、眠れない、夜の睡眠に問題が引き起こされてしまいます。
また、聴覚過敏の場合、普通の人が気づかない物音や話し声、テレビの音、雨音など、敏感に反応してしまいます。
寝ていても、いつもと違う音がすると、気になって目が覚めてしまうことがあります。
一度、音で気になると、頭の中で考え込んでしまったり、不安な気持ちを抱えてしまうこともあり、眠れない、寝不足になってしまうのです。
匂いについても同様に、嗅覚が過敏であると、ちょっとした匂いの変化で目が覚めてしまいます。
触覚過敏の場合、いつも違う枕だったり、何日も干していない布団だと気持ち悪くなったり違和感を感じてしまい、眠れなくなります。
発達障害・自閉症の場合、普段と違う環境やちょっとした違いによって、眠れず、睡眠が短くなってしまうのです。
ストレスによる睡眠の影響
発達障害の人は、日常において健常者とは違う環境、場面に置かれてしまい、常に脳が緊張状態になってしまいます。
普段から不安やストレスを抱えやすく、眠れない、寝つきが悪くなってしまう傾向があります。
生活リズムが壊れている
発達障害の人は、夜更かしをしてしまったり、昼夜逆転の生活になってしまう人もいます。
何かに熱中しすぎて夜更かししてしまう、興奮して眠れないなど。
発達障害の2次障害から不規則・不衛生な状態となり、睡眠に悪影響をもたらす傾向があります。
ADHDの人の場合、普段の衝動・多動性・注意欠如の疲労から、寝つきが悪くなる、不安定な睡眠になることがあります。
睡眠の質やリズムに関するメラトニンに悪影響があると言われています。
メラトニンは、別名、睡眠ホルモンといわれており、眠りの調整をする機能の役割があります。
ADHDの人の場合、メラトニンの問題から、寝つきが悪い、途中覚醒などにより、睡眠が浅くなったり、寝不足になり、日中眠くなったりします。
発達障害の人の睡眠時間が長くなる理由
発達障害の人の睡眠時間が大量に必要になる・長くなる原因は主に2つ考えられます。
1つ目は、脳の凹凸や未発達の影響から、普通の人よりも脳疲労が強くなってしまう影響です。
例えば発達障害の自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の人の場合、想像力が異常に欠如しています。
その為、日常生活や勉強など、頭を使う場面において、脳の疲労が健常者の何倍もあります。
想像力の無さの欠点を補うために、一生懸命考える、他の脳機能や精神に多大な負荷がかかってしまいます。
脳の疲れを癒すために、睡眠時間が長くなってしまうのです。
ADHDの人も同様に、衝動・多動・注意欠如の特性から脳疲労が健常者の何倍もあり、長い睡眠時間が必要となるのです。
2つ目は、発達障害の特性による問題です。
睡眠が短くなる理由と同じく、普段からのストレス、生活リズム、感覚過敏の影響から、たくさんの睡眠が必要となります。
発達障害の人が受ける普段のストレスは、健常者の何倍もあります。
心や脳の疲労が普通の人よりも負荷が強いことから、睡眠をたくさん必要とします。
メンタルに不安を抱えていると眠れなくなりますが、心身ともに疲れ切っている為、一度眠りに入ると寝すぎてしまうのです。
感覚過敏も同様に、普段からの脳の疲労、そして就寝時になかなか寝付けない。
結果、過眠状態となるのです。
学生や社会人以外の発達障害の人の場合、生活リズムが乱れていることがよくあります。
引きこもりの私の場合、昼夜逆転の生活であり、睡眠時間も不規則です。
聴覚過敏の影響から朝~昼にかけて、何度も物音で叩き起こされています。
その影響から、1~3時間おきに目が覚めてしまい、睡眠の質が浅くなります。
結果、少なくとも8時間以上は寝ないと、常に眠気が起きてしまい、昼寝(夜寝)を1~2時間余計にしてしまいます。
まとめ
発達障害の人は脳の特性上、睡眠に問題を抱えてしまうことがあります。
健常者よりも普段の生活で何倍ものストレスや問題を抱えてしまうからです。
睡眠障害は主に心の問題が関係しています。
不安定な気持ちを抱えていると、眠れなくなり、睡眠時間が短くなる。
常に眠気があり、一度寝ると寝すぎてしまうのです。
学生や社会人であれば、毎日だいたい決まった時間に寝起きをしなければならないので、睡眠リズムの問題は起きません。
しかし、フリーターや引きこもりの発達障害の人の場合、昼夜逆転の生活から体内時計が狂ってしまい、健康上の問題になってしまうこともあります。
睡眠は健康に多大な影響を与えます。
1日8時間の睡眠が健康上良いと言われています。
ただ、日中の脳や体の疲労によって必要な睡眠時間は異なります。
発達障害の人の場合、常に脳が疲れてしまう状況下であり、普通の人よりも必要な睡眠量は多いです。
しかし、発達障害の特性により、睡眠に問題を抱えてしまうこともあり、寝不足や過眠状態になってしまうことも多々あるのです。