NHKのあさイチ内で2日連続に渡り
発達障害の話題を取り上げていました。
今日(2018年11月20日)のゲストは
野田あすかさんと母親の野田恭子さん。
野田あすかさんは、プロピアニストでもあり
22歳のときに発達障害が判明しています。
母親の野田恭子さんは、
娘の野田あすかさんの発達障害に気づかず、
辛い思いをさせてきた経験があります。
過去の後悔を糧に、同じ悩みを抱える人に
講演会やセミナー・イベントを通して
理解を広める活動をしているそうです。
今回は、あさイチで放送された
野田あすかさんと野田恭子さんのコメントを
振り返りながら、あらすじや感想を
書いていきたいと思います。
野田あすかさん・野田恭子さんの苦悩
野田あすかさんは、
22歳で発達障害と診断されています。
自分の特性が判明するまでは、
コミュニケーションの問題や、
普通の人と同じことができず、
辛すぎる子供時代を過ごしてきました。
野田あすかさんと野田恭子さん、
夫の3人で出版された本があります。
母の恭子さんは、娘が書いた原稿を読んで、
特性による困り感を
初めて目の当たりにします。
小学校の先生が草むしりの時間で
「校庭の草を綺麗になるまでやりなさい」
と言われました。
あすかさんは、その言葉をその通りに
受け取ります。
草がきれいに片付くまで
時間を忘れて作業をしてしまいます。
先生はいつまでも草むしりをしている
あすかさんを、叱りつけてしまいます。
野田あすかさんは現在36歳。
小学校の頃の話ですから、
発達障害の理解はない時代です。
当時の先生の理解が無いことは
仕方がないのですが、
野田あすかさんは
「何で叱られたのかわからない」
と今でも思っています。
母親の恭子さんは、この出来事に、
初めて娘が1人で思い悩んでいること
を知りました。
「娘がもっと悩みを話しやすい環境作り
をしてあげればよかった」
「母親としてもっと寄り添ってあげれば
よかった」
今では物凄く反省しています。
同じ悩みを抱える人が後悔しないためにも
講演会やセミナー・イベントを通じて
ありのままに伝え、
お役に立てればと思っています。
今後は、娘が独り立ちできるように
親としてしっかりとサポートしていける
ように決心します。
発達障害の概念が確立されていない
時代に、発達障害者として生れる辛さが
伝わってきました。
そのような時代では、特性にもよりますが
子どもが困っていたら、
保護者や親、周囲の理解の有無によって
将来がまったく違っていきます。
野田あすかさんは、特性によって
周囲との同調ができず、イジメなど
様々な困難に出会ってきて、
壮絶な過去があります。
それでも4歳の頃に通い始めた音楽教室を
通じて、ピアノに出会いました。
今ではプロピアニストとして
活躍されています。
野田あすか作曲・演奏「哀しみの向こう」ノーカット版
(youtube公式サイトアスコムチャンネルより)
あさイチの野田あすかさんの感想
あさイチ内では、野田あすかさんが
ピアノを披露してくれたり、
特性による困り感を伝えていました。
野田あすかさんは、
広汎性発達障害と診断されています。
広汎性発達障害は、
自閉症やアスペルガー症候群、
その他の特定不能な状態を総称して
広汎性発達障害とよばれています。
あさイチ内で野田あすかさんをみて
私が一番感じたことは、
特性があまりにも強いと思いました。
発達障害の特性は誰一人同じ人はいない
と言われています。
症状の大小も人それぞれです。
野田あすかさんは、その症状の中でも
マルチタスクの困難さと過集中が
人一倍強いと感じました。
番組内では、ピアノの譜面を読む
シーンがありました。
普通のピアニスト(定型発達)であれば、
譜面をすぐに読み取り、
ピアノを弾くことができます。
あすかさんの場合、曲を覚えるには
1つ1つの工程に分けて、
1つずつ理解していきます。
また、図形を認識するのが苦手なので、
独自の方法で楽譜を覚えていきます。
楽譜に2本の補助線を引いて
高いか低いかを目安に音符を読み解きます。
視覚的にわかりやすくする為に、
声で読み上げてスマホで録音したものを
音符で書き出します。
音符を理解したら次にリズムを覚えます。
カスタネットで1つずつ音を鳴らしながら、
独自の手法で理解します。
あすかさんの場合は特性により、
このように複数のシングルタスクに分けて
楽譜の読み解きが必要になるのです。
ASD(自閉症・アスペルガー)には
マルチタスクの困難さがあります。
私も複数のタスクを同時にこなすことが
苦手ですが、
アスカさんの場合は、
あまりにも細かすぎる工程まで
1つ1つの作業を分散させる必要が
あります。
(最終的には全て暗記するそうです)
番組内では料理を作るシーンも
あったのですが、
そこでも電子レンジを使用している間は、
他の事が一切できませんでした。
特性の強さによって、
日常のタスクの困難差が
あまりにも違います。
あすかさんがピアノを練習されている時も
物凄い集中力でした。
メール音での通知で集中が途切れたのですが
それまでのピアノの練習姿勢は
鬼気迫るものがあります。
あすかさんの過集中は、
ピアノという最良のパートナーに発揮し、
特性が良い方向に開花している
と思いました。
あすかさんは自分の特性に気づく前までは、
ピアノの楽譜を読み解いたり、
理解することの難しさは、
ピアニスト全員、同じだと思っていました。
しかし、自分だけが特性により、
楽譜の読み解きに多大な労力を
かけていることを知ります。
あすかさんは、
「楽譜を読むのは嫌になる時もあるけど、
弾けるようになって聞いてくれる人がいて、
自分の心が素直に伝えられることができて
みんなが笑顔になってくれたら、
ピアノをやっていて良かったと思っている」
と話していました。
私は率直に羨ましいと思いました。
特性による苦労は人一倍あるけど、
自分の好きなことをして、
それを仕事にできる凄さ。
そして、番組を通じてあすかさんからは、
物凄く前向きでポジティブな印象を
受けました。
過去に壮絶な苦労をしてきたのに、
それを感じさせない、明るい印象が
伝わってきました。
私も特性の影響で過去に酷い経験を
してきましたが、あすかさんように、
前向きで明るい気持ちでいることは
できそうにありません。
自己肯定感や自尊心の改善がされない
ことが原因だと思っています。
あすかさんの夢は、
「東京オリンピック・パラリンピックで
音楽で携われる仕事をすること」
「選手の気持ちをピアノの演奏で
リラックスできることができれば」
と話していました。
あすかさんのピアノの技術は凄いですし、
オリンピックで音楽に関わり、
活躍することを期待しています。
母親の野田恭子さんの話
野田恭子さんは現在、
同じような悩みを抱える人たちに
講演会やイベントを通じて
過去の経験を伝える活動をされています。
娘のあすかさんが発達障害と
診断された時も、受け入れるのに
時間がかかったそうです。
昔は発達障害の概念がなかったので、
理解ももちろんありませんでした。
恭子さんは、「自分の愛情不足」、
「厳しい躾けをしてしまったのが悪い」
と思い悩み、自分で自分を責め続けて
しまいました。
母親として娘との接し方を間違えてしまい
その後悔をありのままに、
講演会で伝え、少しでもお役に立てるよう
にと考えています。
母親の立場からすれば、
子どもが発達障害という事実を受け入れる
辛さは、計り知れないと思います。
ですが、あすかさんのように、
特性を理解されずに子供時代を育つと
大変なことになります。
恭子さんは、娘の発達障害の理解に
時間がかかりましたが、
今では、親としてサポートしていける
決意をはっきりと自覚されています。
現在、野田あすかさん、野田恭子さん共に
忙しく充実した毎日を送っています。
お互いに特性を理解し、
サポートや支援がある環境。
発達障害の子をもつ親と当事者の、
理想的な関係だと思いました。
午後からパソコンでNHKの英語番組を漁って聞いていたら、February 27, 2019発信の「NHK WORLD-JAPAN Radio」の記事“「Playing Her Heart Out: A Pianist with Developmental Disability」が目につき聞いていたら、ピアニスト野田あすか さんに関するものだった。作曲された曲の一部が紹介されてたが少し気になったので、ネットで「野田あすか」を検索したら、NHKのあさイチ、ほか動画など多数の記事が目に留まりました。動画でコンサート、お母さんとの講演会、自分の作った曲のねらいなどお聞きしましたが、「ココロのふるさと、哀しみの向こう」など聞いているうちに自然と涙が出てきました。悔しい思いをした人だから奏でられるリズムに感動しました。気がついてみたら一時間以上聞き続けていました。