発達障害のある人は、一般的にどのくらいの睡眠時間が必要なのでしょうか?
また、IQと睡眠時間にはどのような関係があるのでしょうか?
私自身が発達障害のASDであり、睡眠に対して常に悩まされてきていました(現在も)。
では何故、発達障害の人々はより多くの睡眠を必要とするのでしょうか?
この記事では、発達障害(ASD・ADHD)と睡眠時間、さらにIQが睡眠に与える影響について考察していきたいと思います。
発達障害と眠る量について
発達障害(ASD・ADHD)の人は、睡眠時間が沢山必要なのでしょうか。
ASDの当事者としては、普通の人よりも睡眠が必要だと感じています。
子供の頃から最低8時間は寝ないと、日中眠たくて仕方が無かった記憶があります。
40代半ばの大人になった現在でも、8時間以上、もしくは10時間くらいは寝ないと眠気が取れない状態です。
普通の人(定型発達)の睡眠量は約7~9時間とされています。
では何故、発達障害のある人は、これ以上の睡眠を必要とするのでしょうか。
よく言われているのが、発達障害の特性の影響から、普通の人とは違う感覚で生きているからです。
普段生活している中での刺激に対する脳の処理や、集中力の維持のエネルギーなどが、普通の人よりも多く必要になるのです。
ASD(アスペルガー・自閉症)と睡眠時間の関係性
個人的に感じているのが、ASDの聴覚過敏の影響です。
子供の頃から、とにかく物音に対して物凄く敏感であり、常に気を取られていました。
周囲の雑音や人の話し声などを感じ取ってしまいます。
これが見えないストレスとなって、脳の疲労や睡眠の質の悪化に繋がっているのだと思います。
一般的にASDの人は、コミュニケーションや社会性の特性の問題から、不安感や気疲れを感じやすいです。
また、普段通りのルーティーンで生活できればいいのですが、ちょっとした変化やいつもと違う環境に置かれた場合、普通の人の何倍ものストレスを抱えてしまいます。
その結果、眠れなくなったり、眠りが浅くなってしまい、必要以上の睡眠を必要としてしまうことがあります。
でも、ASDの人は、想像力の欠如から、「気づけない」、「感じない」こともよくあります。
自分がどれだけ不幸な環境に置かれているのか、そしてストレスを感じる状態でも「わかっていない」のです。
普通(定型発達)の人が悩んでしまうことでも、ASDの連想が苦手な人の場合、それほどストレスを感じず、問題にしない(できない)ので、睡眠に影響しないことがあります。
ASDとメラトニンの関係性
発達障害の人は、メラトニンの分泌に問題があるとされています。
「ASD患者の約5~8割、ADHD患者の約3~5割で睡眠障害が合併しているとの報告があります」と林教授は説明する。
発達障害患者では「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンなどの神経伝達物質の分泌が乱れやすくなると考えられている。メラトニンは夜にかけて分泌が増えて眠気を誘うが、分泌量が減ると睡眠障害を招くという。
引用元:https://medical.jiji.com/topics/2041
林教授の指摘によると、ASDやADHDの患者さんにおける睡眠障害の合併は非常に高い割合で報告されています。これは、メラトニンの分泌が不規則になることが大きな要因となっているようです。
ASDの私は、子供の頃はメラトニンの影響をそれほど感じてはいませんでした。
しかし、大人になってよりASDの影響からストレスを受けてしまい、メラトニンの分泌に問題が発生していると感じます。
毎日、寝ていても2~3時間おきに起きてしまうし、変な夢を見るなど睡眠の質が物凄く悪いです。
ADHD(多動・衝動性・注意欠如)と睡眠時間の関係性
ADHDの人もまた、睡眠に問題を抱えやすいです。多動性や衝動性のため、寝付きが悪かったり、夜中に目が覚めたりすることがあるのです。
また、注意欠如によって昼間に集中力を保つために、エネルギーを多く消耗し、その分を睡眠で補う必要があります。
ADHDの特性により、寝る前に落ち着くことが難しいため、睡眠に入るまでの時間が長くなることもあります。
IQと睡眠量の関係について
私は、全IQ70以下の軽度知的障害レベルです。
子供の頃からいくら勉強しても身に付かないし、学習力が極端に低い状態でした。
高校は県最低の偏差値30代後半の県立高校しか受からず、大学も1年浪人して予備校へ通って勉強だけをしていたにもかかわらず、42~43前後の大学しか受かりませんでした。
勉強以外でも、何事においても理解力が低い為、頭で一生懸命考えなければならない。
IQが低いことによって、脳の燃費や効率が悪く、疲労しやすいのだと思います。
その結果、日本の平均IQ(100)の人よりも、睡眠時間をたくさん必要とするのだと思うのです。
疲労感とIQレベル
IQレベルと疲労感の直接的な関係は明確には証明されていませんが、学習や作業における効率の低さが疲労感を増大させる一因となることは考えられます。
特に、新しい情報の取り込みや複雑な問題解決を行う際に、より多くのエネルギーを消費するため、休息の必要性が高まるのです。
発達障害のASDの人の場合は、新しい物事に対する苦手感や拒絶感があります。
普通の人よりも、思考や感情のエネルギー量が必要になりやすく、睡眠に影響を及ぼすのです。
IQが低いと、日常生活や学習において多くのエネルギーを消費します。このため、脳が疲れやすく、十分な休息が必要となります。
睡眠は脳の疲労回復に不可欠であり、IQが低い人は特に多くの睡眠を必要とする可能性があります。
学習と睡眠の質の相関
学習と睡眠の質は密接に関連しています。良質な睡眠は記憶の定着や情報の整理に役立ち、学習効率を高めることが知られています。
逆に、睡眠不足は記憶力の低下や集中力の散漫を引き起こし、学習に悪影響を与えます。
脳のエネルギー消費と休息のバランス
脳はエネルギー消費が激しい器官であり、特にIQが低い人は効率が悪いため、より多くのエネルギーを消耗します。
これを補うためには、長時間の睡眠が必要です。十分な休息を取ることで、脳の働きを維持しやすくなります。
年齢による脳の劣化(IQの低下)の影響
最近、物凄く実感しているのが、頭がより悪くなってしまっていることです。
明らかに脳の処理が遅くなったし、ケアレスミスが起こりやすくなりました。
また、理解力もかなり落ちていると感じています。
その結果、より脳の負荷が高くなってしまい、脳疲労が溜まりやすく、眠る量が増えていると思います。
年齢とともに脳の機能は低下しやすく、これによりさらに多くの睡眠が必要となることがあります。
発達障害の人が睡眠問題を改善する方法
発達障害(ASD・ADHD)の人が適切な睡眠量や快適な睡眠をするには、どうすればいいでしょうか。
ASD当事者の私が行っている対策としては、耳栓と精神安定剤です。
私は重度の聴覚過敏を抱えているので、ちょっとした物音や周囲の雑音で目が覚めてしまいます。
なので、どうしても睡眠の質や途中覚醒したくない時は、耳栓に頼っています。
しかし、低周波騒音に耳栓はほぼ効果はありません。
次に精神安定剤ですが、デパスを飲んでいます。
デパスは心を落ち着かせる効果があると同時に、眠気も誘ってきます。
どうしても眠らなければならない時は、デパスを服用しています。
私にはかなり効果があります。
しかし、デパスは依存性があり、毎日飲んでいると効果が薄れてしまいます。
まとめ
今回は、発達障害と睡眠の関係についてお伝えしてきました。
発達障害やIQレベルが睡眠に与える影響は、個人差が大きく、一概には言えません。
ですが、発達障害の人やIQが低い人は、普通の人よりも多くの睡眠を必要とする傾向があります。
これは、脳が日々の活動において必要とするエネルギーの量と、その回復のために必要な休息の量が、個々の神経系の特性によって異なるためです。
発達障害やIQのレベルが、個人のエネルギー管理システムに影響を与え、それが睡眠の必要性に反映されるのです。
また、発達障害のある人々は、日常生活におけるさまざまな課題に直面することが多く、これが精神的な疲労を増加させる可能性があります。
例えば、社会的な状況や感覚的な刺激に対する適応、集中力の維持、そして感情の調節など、これらのプロセスは定型発達の人々に比べて、より多くのエネルギーを必要とすることがあります。
さらに、IQが低いとされる人々は、情報処理や学習において、より時間がかかることがあります。これは、脳が情報を処理する際の効率性に影響を与え、結果としてより多くの休息を必要とすることにつながります。
したがって、発達障害やIQレベルが睡眠に与える影響を理解することは、それぞれの個人に適したサポートや環境を提供する上で重要なのです。