小さい頃に発達障害があるかどうかを見つけることは本当に大切です。
歳をとるにつれ、当事者や家族の人の対応の難しさ、苦労が増えるからです。
では3~4歳の頃の幼年期の子供に見られる発達障害の特徴や症状はどのようなものでしょうか。
発達障害は、自閉症スペクトラム(ASD アスペルガー症候群)、衝動性(多動性)/注意欠如(ADHD)、学習障害(LD)があります。
3~4歳前後の子どもにみられる発達障害の特徴は、ASDとADHDのみです。
LD(学習障害)の場合は、小学1年生(6~7歳)以降にならないと、はっきりとはわかりません。
子どもは6歳頃に、勉強に必要な知能が発達していくとされているからです。
LDとは、読み書きや計算、話す、聞くなど、1つ以上の習得が困難な状態を表しています。
そのため、学習能力が備わってくる6歳を基準に、読み書きや計算が出来ていないとLDの疑いがでてくるのです。
ASDは生れてから3歳までに、ADHDは4歳以降に定型発達(健常者)にはない特徴がみられます。
今回の記事では、3~4歳の子供を対象に発達障害(ASD、ADHD)の特徴を解説していきます。
3~4歳前後にみられる発達障害(ASD アスペルガー症候群、ADHD 衝動性(多動性)/注意欠如)の特徴
自閉症スペクトラム(ASD アスペルガー症候群)は、生れてから2歳前後までに特徴的な行動がみられ、3~4歳には診断されます。
衝動性(多動性)/注意欠陥(ADHD)は、4歳くらいまでは問題行動がみられません。
ADHDの特徴がみられるのは4歳以降です。
ADHDは衝動性/注意欠如の特性上、7歳前後(小学1年生)まで判明に時間がかかるとされています。
言葉の遅れ
3~4歳前後のASDの疑いのある子供にみられる主な特徴は、言葉の遅れです。
定型発達の子供であれば、2歳までには幼児語(パパ、ママ)や、主語と述語が組み合わさった2語くらいは話せるようになります。
しかしASDの子供は、3歳を過ぎても言葉を上手く発せられない、もしくは話せない特徴があるのです。
また、3歳までは言葉を話せていたのに、急に会話が不自然になりだすこともあります。
ASDの症状は、症状の軽い人から重い人までさまざまなのです。
基本的に言葉の問題がASDの基準になりますが、例外のケースもあります。
例えば、アスペルガー症候群の積極奇異型の子供は、言葉に関しては定型発達と同じく普通に話すことができます。
ADHDの子供には言葉の遅れはありません。
ADHDの疑いがあり言葉の遅れがあるようであれば、精神遅滞もしくはASDの特性も持ち合わせている可能性があります。
癇癪(パニック)
ASDの子どもにみられるもう1つの特徴として、癇癪(かんしゃく)があります。
この症状は、ASDの特性である感覚の異常が原因で引き起こされます。
ASDには、視覚過敏、嗅覚過敏、味覚過敏、聴覚過敏、触覚過敏など、定型発達にはない感覚の異常な過敏、もしくは鈍感な傾向があります。
そのため、普通の人と五感の感じ方が違いますので、癇癪やパニックを引き起こしてしまうのです。
視覚過敏
視覚過敏では、普通の人よりも光のまぶしさを強く感じてしまう、物がたくさんある部屋は視点が定まらず泣いてしまいます。
嗅覚過敏
嗅覚過敏では、においを強く感じる、または感じない、違う匂いに感じるなどがあります。
オムツが汚れていると、臭いの気持ち悪さから暴れてしまうことも。
味覚過敏
味覚過敏では、僅かな味でも違いを感じられる、味覚異常では感じなくなります。
子どもに薬を与えるため、食事や飲み物に混ぜても、
味覚の鋭さから異物が入っていると察知し、食べなくなってしまうことも。
聴覚過敏
聴覚過敏では、音に異常に敏感な状態を表します。
普通の子どもが感じない小さな音も察知できます。
また、大きな音を必要以上に感じてしまいます。
いつもと違う音が聞こえたり、不意に音が鳴ると必要以上に響いてパニックになります。
私自身も聴覚過敏で、親の証言によると、ちょっとした物音にも感づいて、すぐに泣いてしまう子どもだったそうです。
今現在も、物音に対して物凄く敏感、健常者が感じない低周波の影響をもろに受けたります。
聴覚過敏のせいで、過去に物音に対する対人トラブルや困難な生活がありました・・・。
触覚過敏
触覚過敏は、肌に感じる敏感度が異常に高い傾向にあります。
肌触りの強い洋服(モコモコしたものなど)が物凄く苦手で、着ることができないことも。
また気温の差に敏感で、暑さと寒さに弱く強いストレスを感じてしまいます。
これらの五感の異常が原因で、癇癪やパニックを起します。
急に大声で叫んだり暴れ出すなどの異常行動がみられたら、ASDの感覚過敏を疑いましょう。
人付き合いやグループ行動ができない
子どもが3~4歳になると、幼稚園に通えるようになります。
幼稚園では、ほかの子どもと交流してコミュニケーションを学べる場でもあります。
しかし発達障害のある子どもは、人付き合いが苦手という特性から幼稚園で浮いてしまいます。
ASDの子どもは、対人関係が苦手な面から一人行動が目立ちます。
また、一人で遊んでいても孤独を感じない、ほかの子どもに興味を持たないといった傾向があります。
集団で遊ぶような場面では、自分がどのようにすればいいのかわからずパニックになってしまうこともあります。
他にも、幼稚園の先生の指示を理解できない、名前を呼んでも反応しない、といった特性もみられます。
ADHDの子どもの場合は、衝動性の特性からじっとしているのが苦手で、自由に動き回ったりしてしまいます。
感情を抑えるのが苦手なので、落ち着きがない子どもにみられてしまいます。
ASDの私が、幼稚園に通っていた頃に覚えている1つの事件があります。
幼稚園終了後に、子どもと親が集まって何かの会議?みたいなのがありました。
他の子どもたちは、みんな母親が迎えに来ていたのに、私の母親だけ来なかったのです。
実は前日に、遅れてしまうというようなことを言っていたそうなのですが、回りの子ども違うことに気づき、その場から逃げ出してしまったのです。
結局、横断歩道のナビゲート?をしてくれるおばちゃんに見つかり連れ戻されたのですが、普通の人と違う状況にパニックになってしまっていました。
今でも予期せぬことが起こると、固まってしまったり、パニックになる傾向は相変わらずあります・・。
これはたぶん、想像力の欠如からくる異常ではないかと思っています。
次に何をしたらいいのかわからない、思いつかないのです。
それで思考停止になったり、錯乱してしまうのだと思います。
自我の成長
3~4歳頃になると、自我(主体性)が出てきて親の躾けを無視したり、反抗する傾向が出はじめます。
この時期にしっかりと教育されていない子どもは、問題行動をおこしたり、社会に適応できなくなります。
定型発達(健常者)の場合、感情を抑えること学び、周りと同じように馴染むことができます。
しかし発達障害の子どもは、さまざまな特性により、自我の成長が上手くいかないのです。
ASDの場合は、コミュニケーションの問題や、癇癪を起しやすいといった特性のために、間違った成長をしてしまう恐れがあります。
ADHDの場合は、衝動性の問題からじっとしていることが苦手、集中力も低く、しつけが難しくなってしまいます。
3~4歳の子どもは、しつけが大変です。
しかし、この時期にしっかりと我慢を覚えさせないと、わがままで自分勝手な子供になってしまいます。
まとめ
3~4歳の子どもに発達障害が疑われる特徴は、
・言葉の問題(言葉の遅れ)
・行動の問題(かんしゃく)
・五感の問題(感覚異常)
・対人の問題(集団行動)
などがあげられます。
これらの特徴が3~4歳にでたら発達障害の可能性が高くなります。
発達障害の疑いがあるようであれば早めに対策をし、特性(ハンデ)を軽減させることが最重要課題です。
親が一番してはいけないことは、何もしない、放置してしまうことです。
発達障害の子どもに適切な療育を受けないと、特性(ハンデ)の影響をもろに受ける酷い人生を送ってしまうからです。
アメリカでは0~3歳までの間に発達障害児の成長を促す「早期介入プログラム」があります。
日本でも早期支援、早期療養のサポートを行っている団体、NPO法人がありますので、是非利用するべきです。
私も子どもの頃に発達障害のサポートを受けられていれば、人生が全く違ったと本気で思います。
普通の子どもと同じようにしつけられ成長したため、ボロボロの子ども時代~現在を送っています。
発達障害の子どもに必要なことは、早期発見、早期対策が絶対です。
発達障害の疑いがみられたら、是非、対策をしてあげてください。