発達障害は知的障害?と勘違いされる人もいると思います。
このブログを書いている私自身も発達障害であり、軽度知的障害です。
普通の人が見れば、文章が変で頭がおかしい人が書いている「知的障害の人」と思われてしまいます。
ですが、発達障害と知的障害は明確に違います。

発達障害と知的障害は、どちらも人生にマイナスを及ぼす脳の問題です。
両方とも普通の人がしない問題行動や困りごとを、自分では気づかずにしてしまいます。
その為、定型発達や知的に問題がない人から見ると、どちらも似たようなトラブル行動に見えます。
しかし、知的障害と発達障害には明確な脳の機能の異常に違いがあり、困り感も違うのです。

知的障害は、IQの低さによって私生活に影響を及ぼします。
発達障害は、脳の未発達や凹凸によって問題が引き起こされます。
結果的にはどちらも似たような問題行動に見えるため、判断が難しいです。

知的障害と発達障害はどちらも伴うこともあります。
知的障害のない高機能発達障害の人もいます。
逆に発達障害のない知的障害の方もいます。

発達障害の人の割合は厚生労働省の発表では8.8%。
知的障害の人の割合は、1~3%と言われています。

発達障害の人が知的障害を抱えている割合は一般的に低いと言われています。
IQが高い人でも脳に凹凸が見られ、発達障害と診断されるケースがあるからです。
高機能発達障害と言われ、普通の人よりも圧倒的に優れた分野があったり、ギフテッドの人もいます。
また、知的に問題がないグレーゾーンの発達障害の人も最近増えています。

逆に知的障害のある人が発達障害を伴う確率の方が高いと言われています。
両方併発している割合は40%前後とされています。
私自身も広汎性発達障害であり、全IQ60台の軽度知的障害です。
IQの低い人は、発達障害の脳の凹凸や成長の遅い未発達部分が、より強い傾向があるのだと思われます。

今回は、発達障害と知的障害の違いや問題について書いていこうと思います。

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発達障害と知的障害の違い

発達障害と知的障害は明確に違いがあります。

発達障害は「脳の凹凸や未発達、偏り」が原因です。
知的障害は「頭の悪さ」が原因であり、IQの低さによって精神年齢が下がり問題が起きます。

どちらも日常生活や社会生活において困難な状況に置かれる共通点はあります。
ただ発達障害の人の場合は、極端に出来ないことがある。
知的障害の人の場合は、IQの低さに応じて全体的に困難に陥るのです。

発達障害と知的障害の人の困難さを比べてみます。

発達障害の場合

発達障害は自閉症スペクトラム・アスペルガー(ASD)、注意欠陥・衝動・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)があります。

ASDはコミュニケーションの困難、社会性の欠如、こだわり・興味の限定など。
想像力の異常な欠如から、空気が読めない、対人関係が気づけない、普通ができない・わからない、1つのことにのめりこんでしまうなど。

ADHDは多動・衝動的な行動、注意力が欠如によって遅刻や忘れ物、うっかりミス、落ち着きがないなど。
頭の中に思考があふれ注意力散漫、順序付けが出来ない、片付けが出来ない等。

LDは、特定の分野の学習が極端に出来ない。
数学の概念が理解できない。
文章の読み書きが苦手。
字のバランスが変になる。
など、知的に問題はないが、一部もしくは複数の分野の学習が著しく困難な状態。

知的障害の場合

知的障害は知能(IQ)が全体的に低く、普段の生活や学習において問題が起きます。

一番の問題はIQの低さからくる理解力の無さ。
物事を理解する能力が低い為、様々な場面で困難に陥ります。
勉強するにしても文章を理解する能力が低いので身につかない。
数式を覚えられず、計算が苦手など。

コミュニケーションにも支障をきたします。
相手の言っていることが理解できない、自分の言いたいことが上手く言い表せない。
何を言われているのかわかりずらく、また変な受け答えになってしまう。

社会的なルールの把握も難しく、普通の人が問題と思われる行動をしてしまう。

知的障害はIQの低さによりますが、精神年齢が普通の人よりも幼くなります。
これが一番重いハンデだと私は感じています。

知的障害の人が知的障害と理解されず、一般学級に入れられたり、社会人になると悲惨です。
明らかに周囲の同期の人よりも幼く、会話や行動で差別されるからです。

私の場合、これが一番辛かった。
軽度知的障害のIQ(70以下)のグレーゾーンな為、偏差値は30台なのに普通学級、何の理解も無く社会に放りだされました。
結果、イジメを受けたり、孤立化し、精神が壊れました。
精神年齢が低い知的障害の人が、同じ年齢や同期の人と、理解無く交わるのは本当に危険です。

発達障害、知的障害のどちらも似たような問題を私生活、社会において抱えています。
ただそれがIQに応じて困難さがに違いがみられるのです。
発達障害の場合は凹凸によって極端さがある。
知的障害はIQの低さに応じて全体的に困難になるのです。

知的障害はIQによって軽度、中度、重度、深刻の4つに分類されます。
軽度知的障害のIQは50~70。
中度知的障害のIQは35~50。
重度知的障害のIQは20~35.
深刻な知的障害のIQは20未満。

おおよそのIQの数値であり、全てがIQ検査の値によって判断されるわけではありません。
最近では本人の普段の生活状況、社会的スキル、コミュニケーション能力など、様々な評価によって知的障害の症状が決定されます。

発達障害と知的障害はどちらも親からの遺伝が原因とされています。

とくに親が発達障害であったり、高齢出産の場合、子供も発達障害となる確率は高いです。
知的障害も両親のIQの低さ、脳の劣化に応じて引き起こされます。

発達障害の場合、生まれつきの先天性が原因です。
しかし、知的障害は、生まれた後の環境によって発症するケースもあります。

劣悪な環境、栄養不足、人との触れ合いが無いなど、育った環境によって後天的に知的障害となる場合もあります。

まとめ

発達障害と知的障害の困り感は似ており、普通の人から見れば同じようにとらえられてしまうこともあります。
ですが、脳の未発達、凹凸の問題、IQの低さによって起こされる問題は違うのです。

個人的に知的障害の方が発達障害よりも辛いと思います。
知的障害の程度にもよりますが、IQの低さからくる理解力の無さ、日常生活の困難さ酷いからです。

発達障害の場合は、一部もしくは部分的に苦手、出来ない問題があります。
知的障害の場合は全体的にIQの低さに応じて困難に陥ってしまう。

発達障害の場合は、サポートがあれば一人でも社会を生き抜いていける人がいる。
知的障害の場合は、常に支援を必要とするケースが多い。

IQによって人生を生き抜く難易度が決定されていると私は思っています。
理解力の有無が勉強、社会において決定的な違いとなるからです。
もちろん、発達障害のハンデは酷いです。
ですが、IQがまとも、もしくは高い発達障害の人はサポートや理解、環境に恵まれれば普通の人以上に人生が成功する可能性があります。

知的障害の人の場合、人生の成功の普通以下がほぼ決定されてしまっている。
確かに環境や運に恵まれて成功する例外はあります。
ですが、IQ70以下の人の大多数は自分で行動しても、社会で成功する可能性は低い。
理解力が低いので、努力しても普通の人よりも圧倒的に劣ってしまう。
何をしても普通以下でどうすることもできない。

生まれつきのIQが人生において一番大切だと思います。

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