発達障害asd(自閉症スペクトラム・アスペルガー)の人は、キレるタイミングが健常者の人と違うと思います。
普通の人であれば気にしない事でも怒ってしまったり、理解の難しい感情の起伏があります。
ASDの私も、過去を振り返ってみると、自分のキレる場面がおかしかったです。
いや、過去だけでなく、今現在も沸点は変わらず、普通の人とは異なっていると感じます。
全ては、ASD特有の脳の構造が問題ですが、何故そうなるのかは不明です。
分かっていることは、asdの想像力の欠如が大いにに関係しているということです。
「未知への不安感」や、「想定外」に弱すぎることが大きな原因だと思います。
また、規則性やルーティーンなどの「こだわり」があるので、物事に対して他者から乱されると、もうダメです。
我慢できないほど、怒りが湧いてきます。
特に子供の頃は、発達障害のasdに必須の対処方法である「経験」が無い為、余計にキレやすいと思います。
感情も表に出してしまいます。
大人になった今では、過去の経験から、自分がキレやすいポイントがわかっているので、我慢が出来ます。
それでも、ストレスやイライラを抱えてしまいますが。
asdの人は、普通の人より、日常においてはキレにくいとは思います。
想像力が欠如しているので、とにかく「気づき」が薄く、怒りゲージが溜まりづらいのです。
ただ、健常者とは違うストレスポイントはあります。
普通の人であれば、揶揄されたり、自分がバカにされていると感づいていも、asd(私)の場合は気づけない、もしくは薄いです。
大抵、後になって、その場面を回想して気づきます。
asd(自閉スペクトラム症・アスペルガー)は、自分の感情や他人の感情を理解するのが苦手です。
感情のコントロールも難しいので、変な場面でキレたりしてしまいます。
そこで今回は、発達障害asdの人のキレる理由や場面、落ち着かせる方法について書いていきたいと思います。
同じように自閉スペクトラム症の人や、自閉スペクトラム症の人と関わる人の参考になれば嬉しいです。
ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー)の人がキレる場面
asdの人が普段、キレてしまうシチュエーションはどのような場面なのでしょうか。
私の場合は、自分のしている事を邪魔されたり、正しいと思っている物事を否定される、理由がわからず人から拒絶される、低周波騒音などです。
他にもありますが、全ての要因はこの一言に尽きます。
「想定外のことが起こる」です。
とにかく、自分が考えていたり、想定していること以外の、理解が及ばない出来事に遭遇してしまうと、ストレスが尋常でなく溜まります。
それが、自分にとってマイナスだったり、何故怒られているのか、傷つけられていると感じると、キレてしまいます。
普通の人であれば、想定出来ることがasdには出来ません。
発達障害asdの「想像力の欠如」、「こだわり」などから、思いつかなかったり、自分が一番正しいと感じてしまっているからです。
また、「感覚過敏」もストレスが溜まってキレてしまう要因です。
それぞれのasdがキレるシチュエーションについて書いていきます。
自分のしている事を邪魔された時
asdの私が一番キレる要因が「自分のしている物事に対して水を差される」です。
とにかく、これが一番イライラして、抑えが効かないほどキレてしまいます。
例えば、勉強や遊び(ゲーム)など、何かに取り組んでいたり、集中している時に突然邪魔が入ると、怒りゲージmaxまで溜まります。
さらにそこにマイナスの影響を受けたり、致命的なミスが発生すると、暴言を抑えられなかったり、枕を殴ってしまいます。
何でこんなに切れてしまうのか。
考えられる理由として、「ルーティンや集中している物事に対する深い没入」が挙げられます。
asdの人は、一度何かに集中すると、その作業に完全に没頭します。
なので、周囲の状況に物凄く鈍感になってしまいます。
そんな時に予期せぬ中断をさせられると、ストレスが溜まり、強い怒りを感じてしまうのです。
また、既に計画や予定を決めているので、そこに横やりが入ると、思い通りに行かなくなり、イライラしてしまいます。
本当に何かをしている時に、話しかけられたり、電話が鳴る、周囲の雑音で気が散るなどが怒ると、とても辛い気持ちになります。
五感の過敏性でキレる
asdの私が、一番キレる原因とほぼ同率の問題が、五感の過敏性です。
発達障害の人は、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、視覚などの五感が鋭かったり、逆に鈍感な人がいます。
私は、聴覚過敏と触覚過敏を抱えています。
この聴覚過敏が尋常ではないストレスが溜まり、人格が変わるほどキレてしまします。
私の聴覚過敏は、周囲の音をとにかく拾ってしまい、さらに普通の人の何倍も響いて聞こえてきます。
小さい頃は、とにかくちょっとした物音で泣き叫んでいたと、親によく言われていました。
大人になった今でも、普段と違う物音がすると、敏感に反応してしまうし、動悸が強くなります。
そして何かに集中している時に、大きい音だったり、気になる音が聞こえると、キレるまではいかないまでも、イライラします。
物音に対しては今では、キレるということは無いですが、人の何倍もビックリはしてしまいます。
それよりも、一番ヤバいのが、低周波・高周波振動騒音です。
普通の人が感じない、低周波や高周波をモロに影響されてしまうのです。
特に、モーター音や室外機、換気扇、洗濯機など、振動騒音が発生するものすべてに、尋常ではないストレスを感じます。
振動騒音は、耳に聞こえるのではなくて、とにかく体と脳に音と振動が響いてくるのです。
大げさに言えば、常にヘリコプターのプロペラの回転音だったり、車のエンジン音が体全体に響き渡っている感じです。
その様な状態を、何かに集中していたり、寝ている状態の時に、常に体に影響を及ぼしていたらどうなると思いますか?
そして、毎日その状況に耐え続けていたら、本当に人格が変わってしまうほどキレてしまいます。
私は近所の室外機で2家に苦情を入れて、冬の暖房時のエアコンの使用を控えてもらいました。
発達障害の人が近所に迷惑をかけるのは本当?うるさい騒音トラブルについて
もう、本当に聴覚過敏のストレスはヤバイという言葉では表現できないくらい、危険です。
キレるどころか、無敵になります。
何故怒られているのかわからないからキレる
とにかくasdの私は、相手の気持ちを理解することが本当にできません。
だから、いつの間にか怒らせてしまっているし、嫌われている事にも気付けません。
私が若い頃に、BTOのPC倉庫でアルバイトをしていた頃の出来事です。
倉庫で自作PCの部品をまとめる作業でのことでした。
まだアルバイトを始めて数日しかたっていなくて、要領が悪く、間違っていることがありました。
流れ作業のような工程でしたので、誰かが間違えると当事者が改善するか、他の人が修正しなければなりません。
私は自分が間違っていることに気付かず、注意をされたようなのですが、謝りもせず、その人が代わりに部品を交換していました。
そもそも、注意をされたこと自体に気付けず、何のフォローもしませんでした。
その時から、その人が物凄く冷たくなったような気がしたのですが、私は全く気づけませんでした。
そして、ある時、その人の名前を気軽に呼んでしまいました。
すると、物凄く邪険な態度をされたのです。
私は何故、その様な態度をされたのか全く分からず、急に怒りが湧いてきてキレてしまいました。
周囲の人が、物凄くびっくりしていました。
一度キレてしまうと、周りの状況が見えなくなってしまいます。
でも、キレたと言っても、言葉で一言言っただけです。
すぐに冷静になったのですが、恥ずかしくて顔が真っ赤になり、涙が出てきてしまい、トイレに行くふりをして逃げてしまいました。
それ以来、バイトに行くことが出来ず、辞めてしまいました。
全ては、asdの想像力の欠如がもたらす悲劇です。
とにかく、気づけない、感じない、思いつかないので、他人の感情の変かも全く分からないのです。
そして、自分が思っていたその人の状態が、マイナスになっていて、いわれのないことを言われたり、プライドを傷つけられてしまうと、感情が爆発してしまうのです。
何でも信じてしまう
asdの私は、何でも信じてしまうので、自分が正しいと思ったこと以外の意見に納得がいかないことがあります。
日々の人事ニュースや政治の問題、事件事故など。
これらが、自分の正しいと思っている価値観以外の意見や逆のことが起きると、辛い気持ちになるし、イライラしてしまいます。
なんというか、本当に「自分が絶対に正しくて間違っていない」と思ってしまっています。
だから、他の意見や考え方は違うと感じてしまい、否定します。
最近の話題では、週刊誌の影響力が物凄く強いと感じています。
芸人の松本人志さんや、サッカーの伊東純也選手の問題などです。
明らかに、度を越えた世間への影響があり、世の中をコントロールしてると思います。
私には何が正しくて間違っているのかはわかりません。
ただ、週刊誌のペンの力の権力が強すぎて、この先が物凄く怖いのです。
なので私の意見としては、法律で早急に規制するべきだと思うのですが、物事はそう単純には行きません。
仕方なく、ニュース記事のコメントや掲示板、ツイッターなどの意見を見ています。
しかし、自分の考えと違ったコメントを見るとイライラすることもあるし、悲しい気持ちにもなります。
全ては、何でも真に受けてしまうasdの特性があります。
視野が狭くて、思考が極端なのが原因です。
自分に経験が無く、過去の事例が無いことに対しては、他者の意見に影響されてしまいます。
ASDがキレた時の落ち着かせ方
私が思うasdの人がキレる理由は、「想定外の事が起こる」です。
ですので、asdの人が怒ってしまったら、状況を理解してあげたり、説明をして欲しいと思います。
例えば、asdの人が、自分の熱中している時に邪魔をしてしまったら、すぐに用件だけを伝えて立ち去って欲しいと思います。
それでも、邪魔をされたことには変わりはないので、怒りはなかなか治まりません。
ただ、数秒だったらまだ我慢できます。
後で、謝ったり、フォローしてくれれば根に持つこともありません。
五感の過敏性があるasdは、ストレスが溜まりやすく怒りっぽくなってしまいます。
そんな時は、なるべく刺激を与えず、そっとしておいて欲しいと思います。
私の場合は聴覚過敏なので、周囲でうるさくしない、テレビの音を小さくする、普段と違う物音に気を付ける、大きい音を立てない等。
もし、その様な音を出したら、謝ってくれとは言いませんが、継続して騒音を出すことは絶対に止めて欲しいです。
asdの人に注意したり怒って、キレさせてしまった時は、相手の怒りが収まるまで待った方が良いです。
余計に言い争っても、asdの人(私)には頭に入ってこないし、自分が正しいと思っているので、余計に悪化させてしまいます。
すぐに謝るか、自分に非がなくてもとりあえず、自分が悪いとasdの人に思ってもらえれば、治まると思います。
一般的にasdの人がキレた時に落ち着かせる方法としては、以下のようなものがあります。
じっくり聞いてあげる
誰かが怒ってるとき、一番大事なのは、「何で怒ってるの?」ってちゃんと聞いてあげることです。
ASDの人も、自分の気持ちをわかってほしいと思っています。
だから、「どうしたの?」「何で悲しいの?」って優しく聞いてみてください。
話を聞いてもらうだけで、気持ちが楽になるのです。
静かな場所に移動する
騒がしい場所は、ASDの人にとってすごくストレスです。
特に、五感が敏感な人にとっては、うるさい音や明るすぎる光が、もうパンクしそうなほどのストレスになってしまいます。
ですので、もし可能なら、静かな場所に一緒に移動してあげてください。
静かでリラックスできる場所は、落ち着けるための第一歩です。
予想外のことは事前に伝える
ASDの人は、予想外のことが起こるとパニックになることがあります。
「今から何をする」とか「この後どうなるか」を事前に教えてあげると、心の準備ができて安心できます。
例えば、「もうすぐお昼だから、10分後にご飯を食べようね」って事前に言ってあげるといいかもしれません。
落ち着けるものを使う
ASDの人には、特定のものや活動が安心感を与えることがあります。
好きなおもちゃ、音楽、絵を描くことなど、落ち着けるものがあれば、それを一緒にやってあげてください。
それだけで、気持ちがずいぶん安定する可能性があります。
褒めて励ます
ASDの人が落ち着いたら、「よくできたね」「頑張ったね」と褒めてあげよう。
自分で感情をコントロールして落ち着こうとしたことを認めてもらえると、すごく嬉しいし、次も頑張ろうって思える人もいます。
ASDの人は、ちょっと世界の見え方が違うだけで、心の中はみんなと同じです。
怒ってしまったときは、こんな風に寄り添ってあげてください。
明確な選択肢を提示する
時には、ASDの人が何をすればいいのかわからなくてパニックになることもあるから、簡単な選択肢を提示してあげてください。
「これをする?それともこれをする?」って選べるようにしてあげると、決断がしやすくなって、気持ちが落ち着きやすくなります。
まとめ
発達障害asd(自閉症スペクトラム・アスペルガー)の人がキレる理由と落ち着かせ方についてお伝えしてきました。
asdの人は、人によりますが、普段はそれほど怒りっぽくはないはずです。
想像力が欠如しており、思い付きや、気づきが普通の人に比べて低いからです。
でも逆に気づいてしまうと、一気に気持ちが高ぶってしまい、キレてしまうことがあります。
asdの人は、自分の考えが正しいと思っていたり、ゼロサム思考もあるので、落ち着かせたり、説得するのは難しいです。
自閉症アスペルガーASDの白黒思考は最悪!0か100はっきり決めつける極端な考え方の末路とは
asdの視野の狭さから、極端な考えによって一方的にキレることもあります。
他者の言い分や説得は全く耳に入りません。(個人差があります)
その様な時は、放置せず、治まるまで冷静に相槌を打ってあげてください。
反論や言い争いは本当に無意味だと思います。
煽られ耐性も物凄く低いので、余計に怒らせるようなことは言わないようにして欲しいです。
asdの人がキレるのは、自分が正しいと思っているからです。
冷静にさせるには、自分が悪くなくても譲歩してあげて欲しいと思います。
そしてその後で、話し合いなり、論理的に説明してあげてください。
とにかく、asdの人が何かをしていたり、集中している時には、邪魔をしない方が良いということです。