発達障害のasdの人の顔が真顔だったり、何を考えているのかわからないのは何故でしょうか。

ASD当事者としては、心の底からの感情の変化が無い限り、なかなか顔に出ないです。
笑ったり、怒ったり、悲しむなど、0か100の状態でしか顔に出ずらいのです。

少し楽しかったり、不満があっても、心の内にしまってしまいます。
また、愛想笑いや意図的に感情を表にして、顔に出ることも苦手すぎます。

ASDの人全てが無表情だったりするわけでは無いです。
でも、もしも、その感情が他の人ほど強くない場合、それを表現するのが難しくなることがあります。

今回は、asdの人の人の顔の表情の少なさについてお伝えします。

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アスペルガーが表情に乏しい理由

ASD(アスペルガー)の自分を分析してみると、考えられる理由は3つあります。

1つ目は、興味が無い・持てないからだと思います。

普通の雑談やテレビ番組を見ていても、自分の好きな事や関心事以外は、「はいはい、そうですか」みたいな気持ちになってしまいます。
本当にどうでもいいのです。

感情が動かされないので、表情にも全く出ず無表情となってしまいます。


2つ目は、理解できない・感性が違うのだと感じます。

理解できないとは、私は全IQが70以下なので、普通の人が笑ったり、悲しんだりする場面でも、3秒遅れで「そういうことか」と理解が遅れます。

もしくは、完全に物事が理解できずに、脳がフリーズしていたり、曖昧な解釈となってしまい、顔や表情に出ないのです。

感性が違うとは、普通の人とは感じ方が違うのだと思っています。
発達障害の無い人が物事を感じ取る感情が、微妙にずれているというか、異なっているのです。

普通の人がどのような感じ方をしているのかもあまり理解できないのでよくわかっていませんが、とにかく普通の人とは違う物事の捉え方をしていると感じています。
基本的に感じ方が薄いので、表情に出ないのだと思います。


3つ目の理由は、感情を表情で表すのが苦手だということです。
100%心から楽しかったり、喜んだ時には表情に出やすいです。
しかし、80%以下では、頭の中でそれらの感情を消化してしまい、顔に出ないのです。

そしてどのように喜んだ顔をすればいいのか、表情の作り方わからなかったり、ぎこちなくなってしまいます。

通常、人は感情を表す際に顔の筋肉を使ってさまざまな表情を作り出しますが、ASDを持つ人々はこれが自然と行えないことがあります。これは、感情を内部で感じていても、それを顔に出す「自動的なプロセス」が欠けているためです。

愛想笑いが出来ない・苦手

ASDの人は、愛想笑いが苦手だと思います。

やろうとすれば出来ますが、それが超不自然だったり、タイミングがおかしかったり、逆に相手に対して変な人と思われてしまいます。

では何故、asdの人は愛想笑いが出来ないのか。
それは、asdの特性である社会性の欠如が関係していると思います。

愛想笑いとは、本当に楽しいわけではない時でも、社会的な場で相手に好意や礼儀を示すために行う微笑です。

asdの人は、相手の感情を読み取るのが苦手です。
また、リアルタイムでのコミュニケーションでは思いついた事をそのまま表現してしまいがちです。

愛想笑いに必須の相手の感情を読み取り、適切なタイミングで適切な表情を作る能力が劣っているのです。

また、顔の表情を作ること自体が苦手だったり不器用なので、人工的な作り笑いで不自然感満載になってしまいます。

愛想笑いができないことは、ASDの人が社会的な場で孤立してしまう一因にもなります。周囲の人々がその行動を誤解して、「冷たい」とか「無愛想」と捉えることがあるため、対人関係の構築が一層難しくなるのです。

しかし、この問題は感情を感じていないわけではなく、表現の仕方が異なるために起こることを理解して欲しいです。

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自閉症は感情が無い?

自閉症(ASD)に関してよくある誤解の一つに、「感情がない」というものがあります。しかし、これは正確ではありません。

実際には、ASDの人々も感情を持っていますが、それを表現する方法が異なるために、外部から見ると感情が乏しいように誤解されることがあるのです。

ASDの私も、子供の頃から表情が乏しく、「何を考えているのかわからない」とよく言われていました。
実際、頭の中だけで感情を消化してしまい、顔に出ないのです。
また、どのように感情を表情に出していいのかが難しく、感情が無いように思われてしまうのです。


一般的にASDの人は、内面の感情が豊かであるにも関わらず、それを外部に示すのが難しいと感じています。

asdの人は、悲しみ、喜び、興奮、恐怖など、通常の人が感じる感情の全範囲を経験しますが、これらの感情を適切に表現する社会的スキルや非言語的な手段が限られているため、他人が理解するのが難しいことがあるのです。

また、ASDの人は感情の調節に苦労することがあります。感情が非常に強く表れるか、全く表れないかのどちらかであることが多いです。この「ゼロサム思考」の感情表現は、適切な感情の調節が難しいために起こります。したがって、asdの人の感情表現は時として予測不可能に見えるかもしれません。

このように、ASDの人々が感情を持たないわけではなく、感情を表現し調節するメカニズムが異なるために、他人との感情的なやり取りが困難になることがあります。

発達障害以外に無表情になる精神疾患

発達障害(特にASD)だけが無表情を引き起こす原因ではありません。他のいくつかの精神疾患も、顔の表情が乏しいという特徴を示すことがあります。このような疾患には、主に統合失調症、重度のうつ病、社会不安障害などが含まれます。

統合失調症

統合失調症の患者は、感情の平板化と呼ばれる症状を示すことがあります。これは、感情が内部には存在していても、それが顔に表れない状態を指します。

統合失調症の人は無表情で、感情反応が著しく制限されることがあります。理由として、脳の特定の部分が正しく機能しないことによるもので、感情を認識し表現する能力に影響を与えるからです。

うつ病

重度のうつ病においても、個人は非常に少ないエネルギーを持ち、何も感じない状態(無感情症)を経験することがあります。この状態では、感情を表現することが困難になり、しばしば顔が無表情になることがあります。

社会不安障害

社会不安障害を持つ人々もまた、公共の場で過度に緊張するために、感情を表に出すことが難しくなります。これは、恐怖や不安が強すぎるために、自然な表情が抑制されるためです。

失感情症(アレキシミア)

「失感情症(アレキシミア)」も感情を表すことが困難な状態として知られていますが、これは発達障害や他の精神疾患とは異なる独特な特性を持っています。

アレキシミアは、個人が自分の感情を特定したり、それを他人に表現したりすることが困難であるという状態を指します。この状態の人は、自分の感情に対して認識が乏しいため、何を感じているのかを言葉で説明するのが難しいです。また、他人の感情も読み取るのが難しく、対人関係でのコミュニケーションが問題になることがあります。
アレキシミアは、個人が自分の感情を特定したり、それを他人に表現したりすることが困難であるという状態を指します。この状態の人は、自分の感情に対して認識が乏しいため、何を感じているのかを言葉で説明するのが難しいです。また、他人の感情も読み取るのが難しく、対人関係でのコミュニケーションが問題になることがあります。

発達障害ASDの感情表現が無い・自分の気持ちがわからない失感情症

asdは大人になっても無表情で感情が読めない状態?

asdの人は大人になっても、表情が出づらい状態なのでしょうか。
大人のasdである私自身が、モロにその状態です。

ただし、asdの影響から、ボロボロの人生を歩んだ結果、感情がより表に出せなくなってしまったからです。
うつ病や、対人恐怖症、その他の精神疾患から、心の底からの感情の変化がほぼ無くなってしまいました。
表情にも全く出ません。

しかし、羞恥心や心の弱さは人一倍あり、表情には出ませんが、顔が真っ赤になってしまいます。

一般的にasdの人が大人になっても、多くの人は感情を表現するのに苦労し続けると思います。
これは子供の頃から持ち続ける特性であり、大人になっても解決が難しいからです。

大人になるにつれて、社会的な状況や職場での対人関係がより複雑になるため、表情の乏しさや感情表現の困難さが増すと思います。

大人になると人間関係はよりシビアになりますので、会社や社会的な場面でasdの無表情や感情の読み取れなさは「人として誤解されてしまう可能性」があります。

他人からは冷たく、無関心に見えることもあります。
しかし、これは感情がないわけではなく、表現の仕方が異なるためです。

発達障害のasd(アスペルガー)の人は、無表情や感情の出し方が苦手ですが、経験によってある程度はぎこちなくても普通に振る舞うことはできると思います。
ただ、それでも大人になると簡単に見抜かれてしまうし、交流関係は難しいと感じます。

なので、ASDの特性を理解してもらったり、適切なサポートを受けることが、社会的な場での成功に非常に重要です。
理解あるコミュニティや職場での支援が本当に大切だと思います。

まとめ

今回は、発達障害のasd(アスペルガー)の人の無表情や感情の難しさについてお伝えしてきました。

asd当事者として一番思うのが、発達障害の無い人との感じ方が違うことだと思います。
物事に対する捉え方や感じ方がズレていたり薄いので、感情が動かされ難く、表情にも出ずらいのです。

また、自分の興味のある事以外は、どうでもよくなってしまうので、適当だったり、心に響かなくて無表情になってしまうのです。
そして、頭の中で考えを消化してしまう為、表情に出にくくもなるのです。

そして、感情を表に出したり、表情に出すのが上手く出来ないです。
100%、心から楽しかったり、悲しい気持ちなどの場合、自然と表情に出ます。

しかし、80%以下の場合、表情を作ることを考えてしまうのか、上手く表現できなかったり、ぎこちなくなってしまいます。

そして、表情を作るために必要な筋肉の動きも自然にできないことが多いです。これが、社会的な場でのコミュニケーションにおいて、他人から誤解されたり、距離を感じられる原因になることがあります。

このような理由から、ASDの人々は「冷たい」や「無愛想」と見られがちですが、これはasdの人が感情を持っていないわけではなく、単に感情を表現するプロセスが異なるためです。内面では多くの感情が動いていても、それが外に見える形で表現されることが少ないのです。

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