発達障害のアスペルガー症候群には、
「受動型」「積極奇異型」
「孤立型」「形式ばった大仰」
という4つの性格のタイプがあります。
その中の1つである「孤立型」は、
人との関りを持たず、
一人であることを好みます。
「他者に興味を持てない」、
「必要なときしか関わらない」など、
他人が存在しないように
感じてしまうのです。
しかし子供の頃から孤独を好んで
一人でいるわけではありません。
アスペルガーの4つのタイプは、
遺伝による親の性格の影響を
受けますが、育った環境によっても
変化していくのです。
孤立型は子どもの頃によくみられる
タイプと言われています。
しかし、他人の影響を受けていない
無邪気な子ども頃であれば、
好奇心旺盛な「積極奇異型」が多いです。
アスペルガー症候群の人は特性によって、
子ども時代からイジメられたり、
バカにされてしまいます。
すると自尊心や自己肯定感が失われてしまい、
人が嫌いになったり、興味を持てなくなる
孤立型へ変化していくのです。
また、アスペルガー症候群の二次障害によって
「孤立型」になることもあります。
私の場合は主体性がなく、
他人の言いなりになってしまうため、
「受動型」だと思っていたのですが、
「孤立型」も当てはまっていたのです。
学生時代は普通の人と同じようにしたい、
はぶられて一人になって恥ずかしい思いを
したくない一心で、
他人との関りを持とうと頑張ってきました。
しかし、まったく上手くいかず、
逆にいじめられたり、避けられてしまい、
人との関りが辛くなっていきました。
どうしても共同生活をしなければならない、
高校生までは、一生懸命他人と繋がろうと
頑張っていました。
ここまでは「孤立型」ではなかったと
思います。
しかし、高校を卒業して専門学校を2日で
止めて、フリーターになって、
予備校に通い始めてから「孤立型」の傾向が
あったのです。
予備校は他人との慣れ合う人もいましたが、
基本的に一人で過ごしている人が多かったです。
私も一人だったのですが、
時折話しかけてくれる人がいました。
しかし、私はどう対応したらいいのか
わかりませんでした。
また、過去の対人経験から
人に対する恐怖や、関心が持てず、
言葉を発することができなかったのです。
相手は交流を持とうと思って
話しかけてきてくれたと思うのですが、
私は上手く反応ができませんでした。
それ以来彼は話しかけてくることは
ありませんでした。
「孤立型」の特徴である、
人に意識が持てず、
会話が成立しない状態だったのです。
予備校生なので、
「勉強に集中しなければならない」
という思いではなく、
自然に人に対して接することができない
状態だったのです。
また、引きこもってからは
元からの「受動型」だけでなく、
「孤立型」の特徴も完全に一致していました。
人と接するのが怖くて
一人が物凄く気楽なのです。
寂しさは微塵も感じないです。
病院や手続きなど、
必要最低限の人との関りはもちます。
ですが、それも煩わしく感じてしまい、
できることなら人との接触は避けたいです。
孤立型アスペルガーは、
自分の殻に閉じこもることで、
自己防衛をしている状態なのだと思います。
孤立型から他のタイプに変化させるためには、
本人の気持ちと環境の変化が必須なのです。
孤立型アスペルガーの特徴
アスペルガー症候群には
4つのタイプがありますが、
「人と関わる能力が著しく劣っている」
という共通点があります。
その中で孤立型は、
人との触れ合いを求めない特徴があります。
・周囲への関心が乏しい
・自分から人と関わりを持とうとしない
・そっけない態度、拒絶されたと誤解される
・心の中では妄想の世界がある
・他人が存在していないと感じる
・一人でいることを好む
・必要なときだけ他者と接触する
・寂しさを感じない
アスペルガー症候群の人は特性によって、
様々な苦しい思いを経験してきます。
そのため、元は明るい性格の
「積極奇異型」でも、
自己肯定感の低下や二次障害によって、
「孤立型」になってしまうのです。
親からの遺伝の影響で、生まれつき
孤立を好むアスペルガーの人もいます。
孤立型アスペルガーになる原因
親からの遺伝にや環境によって
「孤立型」になることがあります。
ですが、アスペルガー症候群の
原因である、脳神経の異常が
関係していると思います。
ASD(自閉症・アスペルガー)は、
現代医学では治療できないと
されてきました。
しかし、「オキシトシン」という
脳神経伝達物質がASDに有効である
ことが研究されています。
オキシトシンは、
幸せホルモンとも言われており、
人との信頼関係を構築したり、
共感性を高める影響があります。
オキシトシンがたくさん分泌されれば、
人との絆や一緒に触れ合いたいと
強く感じるようになります。
アスペルガー症候群の人は、
普通の人とは違う感じ方、
脳神経の発達の異常によって、
オキシトシンが分泌されにくいのです。
孤立型アスペルガーの場合は、
遺伝や環境の影響によって
オキシトシンの分泌が少なく、
人との触れ合いを必要としない
「孤立」の性格になるのだと感じます。
まとめ
アスペルガー症候群の孤立型は、
「一人でいることが平気」なため、
寂しさを全く感じない特徴があります。
親からの遺伝で先天性な人もいます。
育った環境の影響から、
他のアスペルガーのタイプから変化して
「孤立型」になる人もいます。
どちらにしても、
一人でいることに安心感を得ていることと、
孤立することを気にしない
特徴があります。
他者との関りが必要なときのみ、
交流はできます。
ただ、人との触れ合いは煩わしい、
苦痛を感じていることもしばしばあります。
対人関係で酷い目に合ってきた影響から
孤立型のタイプに変化してきているからです。
社会的に自立している人であれば
孤立型でも問題はないと思います。
しかし、私のように引きこもりや
対人恐怖症などで、孤立型になってしまって
いると危険かもしれません。
まったく寂しさを感じないため、
一人でいることに何も問題を感じないからです。
しかし、生きていく上では
人との関りが必要となります。
孤立型は、必要なときは人と関われますが、
社会的に自立していないと、
それすら上手くいかないのです。
そのため、人生において様々な問題に直面
したとき、自分で考えて行動しようとして
しまいます。
アスペルガーの人は大抵間違った選択を
してしまいがちです。
そしていつの間にか、困難な状況に
追い込まれてしまいます。
だれにも頼れることができず、
二次的な問題も抱えてしまいます。
二次障害を抱えた孤立型の場合は、
他人との接触を改善する必要があります。
そのためには、他のタイプになるように
精神的問題を解決することが
必須なのです。